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高齢者が骨折しやすい理由とは?骨折の原因や対策のためにすべきこと

2024.04.05

【シニアカーのエキスパート!シンエンス監修】高齢者の健康と安全は重要ですが、特に骨折は生活の質に大きな影響を与えます。

若い頃は骨折と無縁の生活を送っていた人でも、歳を取ると骨を支える筋力の低下や骨自体の脆弱化によりちょっとした衝撃で骨折してしまうことも。

そのため日ごろから適度な運動をして筋力を維持したり、食生活などの予防策も必要です。

この記事では高齢者が骨折しやすい部位や骨折の原因、対策方法などについて紹介していきます。

高齢者はなぜ骨折しやすい?

高齢者はなぜ骨折しやすい?

高齢者はなぜ骨折しやすいのでしょうか。

「少しバランスを崩して手をついただけで手首を骨折してしまった……。」
「少し尻もちをついただけで背骨を圧迫骨折してしまった……。」

このような話をよく耳にしますね。

加齢による神経機能の低下や体力筋力の低下により、高齢者は若い年代の人たちよりも転倒しやすい傾向にあります。

それに加えて骨密度が減ってしまう骨粗しょう症により、ちょっとした転倒で骨折に繋がってしまうことが大きな原因となっているようです。

ここからは、高齢者に多い骨折の種類について深掘りしていきます。

骨折の種類とそれぞれの原因について

骨折の種類とそれぞれの原因について

高齢者に多い骨折の種類は、以下の5種類です。

①:脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)
②:脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)
③:上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)
④:橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)
⑤:大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶこっせつ)

なかでも特に気をつけたいのが脆弱性骨折。

脆弱性骨折は、骨粗しょう症が原因で骨が脆くなって起こる骨折であり、その他の骨折のすべての原因にもなっています。

①:骨粗しょう症が原因!「脆弱性骨折」

脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)とは、通常の生活活動中に起こる軽い外力や、時には自然な動作だけで生じる骨折のことを指します。

これは、骨の強度が低下している状態、特に骨粗しょう症がある場合によく見られます。

骨粗しょう症とは、骨に含まれるカルシウムやリンなどの他のミネラルが減って骨密度が減少し、骨がもろくなってしまう進行性の病気のことです。

骨密度が少ないことで骨が衝撃に耐えることができなくなり、わずかな力で折れやすくなってしまうことが、骨粗しょう症による脆弱骨折の原因となっています。

骨密度は20歳前後でピークに達し、40代半ばまではほぼ一定で50歳前後から低下していきます。これは加齢に伴って内臓の機能が低下し、カルシウムなどの栄養分を吸収する能力も低下することが原因です。

また女性の場合は、閉経によりホルモンバランスの変化で男性よりも急激に骨密度が減少するため、女性の方が骨粗しょう症になるリスクが高くなるということを覚えておかなければなりません。

脆弱性骨折は、骨粗しょう症が原因となっているため、骨折が次々に起きる脆弱性骨折の連鎖が起きてしまうと指摘されています。

②:滑って転ぶ、尻餅をつくなどで起こる「脊椎圧迫骨折」

脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)とは、背骨の前方にある椎体(ついたい)が上下方向からの力によって潰れる背骨の骨折のことをいいます。

正常な背骨であれば、高い所からの転落など大きな力が加わらなければ起こらない骨折ですが、加齢によって骨が脆くなっている場合、滑って転んだり尻餅をつくなどの軽い衝撃でも骨折してしまいます。

また、知らない間に徐々に体の重みを支え切れずに椎体が潰れて骨折しているということもあり、こちらも骨密度の低下が原因となっているのです。

③:転倒時に肩などを打撲した際に起こる「上腕骨近位端骨折」

上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)とは、腕の付け根の肩関節の近くが折れてしまう骨折のことを指し、肩関節には多くの筋肉がついてるので特徴的な骨折の形態となっています。

上腕骨は二の腕の部分の骨で、近位端は付け根に近い部分の骨を意味します。

若い人では、激しいスポーツや交通事故など非常に強い力がかかった時に起こる骨折ですが、骨密度が低下している場合は転倒時に肩などを打撲した際に起こってしまうのが特徴です。

④:転倒時に手をつくことで起こる「橈骨遠位端骨折」

④:転倒時に手をつくことで起こる「橈骨遠位端骨折」

橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)とは、橈骨(とうこつ)が手首に近いところで折れる骨折のことです。

橈骨とは、手首の骨の中でも親指側の太い骨のことで、遠位端とは手首周囲の部分を指します。

若い人の場合は、自転車やバイクに乗っていて転んだり、高い所から転落して手をついたときに起こる骨折ですが、骨密度が低下している場合は少し転んで手をついただけで起こってしまう骨折です。

⑤:転倒によって足の付け根に引き起こる「大腿骨近位部骨折」

大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶこっせつ)とは、大腿骨の内側、脚の付け根部分の骨折のことです。

大腿骨は、ボールの形をした大腿骨頭、少し細くなった大腿骨頸部、そして筋肉が付着する大きく張り出した部分である大腿骨転子部から構成されています。

股関節骨折の大部分は、大腿骨頸部や大腿骨転子部(転子下を含む)で起こります。

転倒などによって起こる骨折で、強い股関節付近の痛みのため力が入らなくなり、歩けなくなって救急搬送されることも多い骨折です。

ギプス固定や安静にしているだけでは治るのに長い時間がかかるため、なるべく速く歩くことができるように、現在では手術での治療が主流となっています。

しかし手術をしても長期間の安静が必要なため、大腿骨近位部骨折が原因でその後寝たきりになってしてしまう高齢者も少なくありません。

骨折した後は二次骨折にも注意が必要

骨折した後は二次骨折にも注意が必要

高齢者が陥りやすい「骨折の連鎖」があります。

骨折の連鎖とは、骨折が治ったと思ったらまた骨折してしまうというような、骨折を繰り返すことをいい、二次骨折ともいわれています。

骨折を繰り返す人は、高齢者の骨粗しょう症の人に多く見られます

骨が弱く脆い状態になっているので、弱い衝撃でも骨折しやすくなり何度も骨折を繰り返してしまうという状態になっているのです。

加齢による神経機能の低下や、体力の低下など避けがたい自然な老化も一因でありますが、なるべく骨折をしないように積極的に予防をすることがとても大切です。

骨折をしないようにするための予防策

高齢者が骨折をすると、回復が遅くなるという特徴があり、長期の安静によりさまざまな健康問題を抱えてしまう可能性があります。

偶然の事故によって起こる骨折は仕方のない場合もありますが、なるべく骨折をしないように日々の予防策がとても大切です。

【骨折の予防策】
①:適度な運動をして筋力を維持する
②:食生活から必要な栄養素を補う
③:手すりをつけたり段差などに工夫して環境を整える
④:外出時には移動補助のできる器具や乗り物を使う

それぞれみていきましょう。

①:適度な運動をして筋力を維持する

①:適度な運動をして筋力を維持する

骨粗しょう症の予防には、正しい栄養分の摂取と適度な運動が必要だといわれています。

骨には、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になり強くなる性質があります。

散歩を日課にしたり、階段の上り下りを積極的に行うなど日常生活のなかでできるだけ運動量を増やしましょう。

また、フラミンゴのように片足立ちをしてバランス感覚を鍛えることで転倒しにくい身体を作ることも大切です。

片足立ちをするときは、不安な場合は壁や手すりにつかまるなどして安全に行いましょう。

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②:食生活から必要な栄養素を補う

②:食生活から必要な栄養素を補う

食生活を見直して、骨密度を低下させない食事療法を行うことも大切です。

カルシウム、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質など、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。

【健康な骨を作る食事】

栄養素食品
カルシウム乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻、魚、ごま
ビタミン【ビタミンD】魚・きのこ
【ビタミンK】納豆、緑黄色野菜
タンパク質肉、魚、卵、乳製品、大豆製品

カルシウムとビタミンDは、同時に摂取することでカルシウムの吸収率が上がります。

ビタミンKは骨を作る働きを促し、ビタミンBは、タンパク質が分解されるときにビタミンB群が不足していると有害物質がたまって骨と血管を痛めることがわかっています。

またタンパク質の摂取量が少ないと骨密度低下を助長してしまうため、意識して摂取するようにしましょう。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも作られるので、適度な日光浴は骨を健康に保ってくれます。

暑くない季節には30分〜1時間程度散歩に出かけたり、夏場は屋内でも窓際で日光浴をするよう心掛けましょう。

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③:手すりをつけたり段差などに工夫して環境を整える

③:手すりをつけたり段差などに工夫して環境を整える

高齢者が生活する家では、部屋の各所に手すりをつけたり、玄関や風呂場などの段差をなくしたりすることが転倒事故を防ぐのに非常に効果的です。

また部屋が暗いと足元が良く見えず、転倒のリスクが高まります。部屋の照明は明るい物を選び、夕暮れ時などは速めに照明をつけるようにしましょう。

人の動きを感知したり暗くなると自動的に転倒するセンサー付きの照明も販売されているので、廊下やトイレなどに取り付けるのもよいでしょう。

家庭内での転倒事故は、大きな段差ではなく部屋の敷居やカーペットの縁、電気コードなどのわずかなもので起こります。

マットには薄手の滑り止めを敷いたり、敷居などの小さな段差を埋めるグッズ、また床を這う電気コードにはケーブルカバーを使うなど、足元を綺麗に整えておく心がけが必要です。

④:外出時には移動補助のできる器具や乗り物を使う

④:外出時には移動補助のできる器具や乗り物を使う

外出時の転倒を防ぐためにも、移動補助のできる器具や乗り物を使うこともおすすめです。

ウォーキングポールや歩行器は、歩行補助具として安全に歩くことができます。

ウォーキングポールは2本のポールを持つことで安定して歩くことができるだけでなく、全身運動の効果も得られるでしょう。

歩行器は、両腕で体重を支えることができるので脚にかかる負担が軽減され、転倒しにくくなります。

あわせて読みたい記事:「歩行器とは?種類や選び方、気をつけるべき注意点をあわせて紹介

また長距離の歩行に不安のある人は、シニアカーの導入も検討してみてはいかがでしょうか。シニアカーは免許不要で運転することができるので、免許を返納した高齢者にも最適です。

シニアカー導入に不安のある人はシンエンスの電動車いす見守りGPS「モニスタ」がおすすめ。

モニスタは、車両に搭載されたGPSデバイスが走行中の電動車いすを常時モニタリングし、日々の使用状況や現在地・消耗品の交換時期などをリアルタイムでお知らせしてくれるサービスです。

ぜひこの機会にモニスタを導入し、ご利用者もご家族も安心してシニアカーを利用してみませんか?

まとめ:骨折による寝たきり防止のためにも日ごろから予防や対策をしよう

高齢者にとって、骨折は非常にリスクが高いことはおわかりいただけたでしょうか。

一度骨折することにより二次骨折のリスク、また長期間の安静によって寝たきりになってしまうリスクなど、高齢者のQOLを著しく低下させてしまう恐れがあります。

できるだけ長く健康的に生活するためにも、日頃から予防や対策を心がけましょう。

歩く距離が長くなると、足腰が疲れて転倒のリスクも高まります。そんな時は、シニアカーが高齢者の大切な足となってくれるでしょう。

シニアカーを初めて利用される場合は、専門業者に相談をすることをおすすめします。

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