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QOLとは?生活の質を高める方法をわかりやすく解説

2024.02.27

【シニアカーのエキスパート!シンエンス監修】クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)通称QOLは、生活の質をはかる重要な概念として知られています。

健康や幸福だけを指すのではなく、もっとも重視されるのは生活への満足度や充実度を含めた自分らしい生活を送ることです。

この記事ではQOLの意味やその向上のための方法、健康やライフスタイルとの関連性について紹介します。生活の質を高め、より人生を豊かに過ごしましょう。

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは

QOL(Quality of Life)とは、日本語にすると「生活の質」という意味です。「生命の質」「人生の質」と訳すこともあります。

技術進歩に伴い、物質的豊かさから生活の質への価値観の移行による、「より良く」生きることを重視する考え方です。特に高齢化社会の日本では、充実した人生や自分らしさを保つことの重要性を表します。

それぞれの人にとって大切にしている価値観があります。幸福感や満足感などの主観的価値観に焦点を当て、日々の生活での満足度など、いかに自分らしい、人間らしい生活を送るかという概念です。

生きていくうえでの生きがい・やりがいがあると日常が充実します。その結果、幸福度・満足度があがりQOLの向上につながっていくでしょう。

WHOは、生活の質(QOL)を、「個人が自分の人生における立場を、自身が生きる文化や価値観システムの文脈の中で、そして自分の目標、期待、標準、懸念と関連してどのように感じているかという個人の認識」として定義しています。(※WHOQOL: Measuring Quality of Life

QOLは、医療・福祉・企業活動など、多岐にわたる分野で重要な概念として取り入れられています。

QOLとADLの関係性

ADL(Activity of Daily Life)とは、日常生活動作という意味です。食事、排泄、着替え、入浴、整容(身なりを整える)、移動動作など日々の生活の中で行っている基本的な行動を指します。

そして、QOLとADLは密接に関係しているといわれています。高齢者の生活の質(QOL)は、日常生活動作(ADL)の自立度に大きく関わります。

例えば、身体が不自由のため自分で食事を摂取できない人がいます。その人は、他者に援助してもらうことに対して抵抗感や劣等感を感じます。その結果、生活に対する満足度の低下へとつながります。

これはADLの低下が、QOLの低下につながっています。

逆に、ADLが自立しているからと言ってその人の大切にしていること(価値観)が満たされなければQOLが高いとはいえません。

ADLが自立していれば、自己管理や日常の楽しみが増え、QOLは自然と向上します。逆に、ADLが低下していても、趣味や親しい人との交流などで心の充実を見つけることができます。

介護・福祉現場のADLとQOLについて

介護・福祉の現場では、ADL(日常生活動作)の維持と向上が重要視されますが、QOL(生活の質)の向上には、精神的な満足感や生きがいを提供することも必要です。

これは、単に日常生活を支えるだけでなく、その人らしい生活を実現し、充実した人生を送ることを目指すアプローチです。

ADLとQOLのバランスは、医療や介護の進歩により変化しています。過去にはADLの向上がQOL向上の主な方法でしたが、現在では、ADLが低下しても、趣味や社会参加を通じてQOLを高めるアプローチが重視されています。

たとえ身体的な制限があっても、自己実現や社会的なつながりを保つことで、QOLを向上させることが可能です。

このように、高齢者のQOL向上には、ADLだけでなく、精神的な充足感や生きがいをサポートすることが不可欠です。介護・福祉業界では、これらの要素をバランスよく組み合わせることが、高齢者の豊かな人生を支える鍵となります。

QOLを「マズローの欲求5段階説」と照らしあわせてみる

QOLを「マズローの欲求5段階説」と照らしあわせてみる

マズローの欲求5段解説とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが唱えたもので、人間の欲求を5段階で表しています。

下位の欲求が満たされると、次の階層の欲求が重要になると提唱しました。

生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求へと続きます。

①生理的欲求:生命の維持に必要な欲求です。例えば、食事、睡眠、性欲、排泄など本能的な欲求があります。

②安全欲求:安全な場所に住む、危険から身を守るなどがあります。特に、災害や病気の際に現れます。また生きていくうえで困らないお金がいります。このように環境的・経済的に快適で安全な暮らしが安全欲求です。

③社会的欲求:社会から必要とされたい、集団の一員でいたいという所属する欲求です。

④承認欲求:自分の価値や能力を認めてもらいたいという欲求になります。社会的欲求に似ていますが、より自分の評価に価値をおいています。

⑤自己実現欲求:理想の自分になりたい、自分にしかできないことをしたいという欲求です。

多くの人は、下位の欲求が満たされるとより上位を満たそうとします。

そして、5段階目の自己実現欲求にとどまろうと思います。

しかし、いつもこの順番ではなくそれぞれの価値観によって多少入れ替わりはあるでしょう。この理論はあくまで一つの視点であり、すべての人に当てはまるわけではありません。

QOLとは、生活の質なので、生きていく上での生理的欲求・安全欲求がある程度満たされる必要があります。病気になったときに治療をすることは安全欲求になるでしょう。

そして、この2つの欲求が満たされていても家族や友人がいない人生はどうでしょう。人は一人では生きていけません。人との関わりの中で、自分の存在の意味や役割などをみつけ、やりがいや生きがいにつながっていきます。

社会的欲求や承認欲求を満たして、より幸福度や満足度があがることでQOLが高まるでしょう。

QOLを高めていくためにできること

では、QOLを高めていくためにはどうしたらよいでしょうか。

7つの方法を以下で紹介していきます。

①:質のいい睡眠を十分にとること
②:適度な運動をして体を動かす習慣をつくる
③:バランスのとれた食事をこころがける
④:趣味や習い事など人生に生きがいをもつ
⑤:1日の中でリラックスする時間をもつ
⑥:心から笑える瞬間をつくる
⑦:自立した生活を送れるように身の回りをととのえる

①:質のいい睡眠を十分にとること

自分にあった睡眠がとれないと小さなことでイライラしたり、作業効率が悪くなったりと日常生活に影響が出ます。また、長期的にみると身体的な影響もあります。

理想の睡眠時間は、年齢によっても変わってきますが6〜7時間といわれています。

睡眠時間が短すぎると身体的・精神的に影響が出ます。逆に、長すぎても夜眠れなくなり、翌日の生活に影響が出ます。

なにより、質のよい睡眠をとることが大切です。

具体的には、

朝起きたら日光を浴びる
● 日中に適度な運動で身体を疲労させる
● 睡眠の3時間前までに食事やアルコールは済ませる
● 寝る直前の入浴は控え、ぬるめのお風呂につかる
● 寝る前に、スマホなどのブルーライトを浴びない

などがあります。

質のよい睡眠をとってQOLを高めましょう。

②:適度な運動をして体を動かす習慣をつくる

適度な運動は、リフレッシュになり気分転換やストレス解消になります。また、質の高い睡眠へとつながります。

軽いウォーキングやストレッチなど、できそうなことから始めてみましょう。

③:バランスのとれた食事をこころがける

バランスのとれた食事は、栄養がしっかりととれ、身体的な健康へとつながります。

また、家族や友人と一緒に会話をしながら食べることで、「おいしい」「楽しい」時間となり、精神的な安定をもたらします。

偏食や孤食にならないように心がけることが、QOLにもつながっていきます。

④:趣味や習い事など人生に生きがいをもつ

自分にとってのやりがい・生きがいを見つけることが大切です。

好きなことをしている時間は人生を豊かにします。なにかに夢中になれるのはとてもいいことです。

趣味がない人は映画鑑賞、読書、スポーツ、ボランティアなどの社会貢献と何かをはじめてみるのもいいですね。

仕事のためではなく、自分のために時間を使って生きがいを見つけてみましょう。

⑤:1日の中でリラックスする時間をもつ

みなさんは、リラックスする時間はありますか?

一日があっという間に過ぎてしまったり、意識しないとリラックスする時間を持つのは難しいと思います。

リラックスの方法は、人それぞれです。ヨガ、瞑想、リラックスできる音楽を聞くなど、なにも考えずにリラックスできることがストレスの軽減につながります。

1日5分からでもいいので時間を見つけて、自分なりにリラックスしてみてください。

⑥:心から笑える瞬間をつくる

心から笑える瞬間は、QOLを高めます。

笑うことは免疫力を高め、ストレス解消など心身のリラックス効果があります。一緒にいて楽しい人と時間を過ごす、好きな番組・動画・映画をみるなどポジティブで笑顔が増える時間を意図的に作るのが大切です。

わざと大笑いをしてみることで楽しくなって笑えてきたりします。お笑い番組やコメディ、落語などをみるのもいいですね。

積極的に心から笑える瞬間をつくりましょう。

⑦:自立した生活を送れるように身の回りをととのえる

自立した生活、ADLをあげることはQOLと深く関係しています。

病気やけが、加齢により身体が不自由になった場合、それをサポートする福祉用具や介護サービスを使用することでADLがあがります。

また、住環境を整えることで日常生活がより自立します。

例えば、自宅の階段や段差、家の中での家具の配置や動線などです。交通機関が整っていたり、スーパーや病院など必要な施設が行動範囲にあることも自立に大きく影響します。

健康な人にとっても暮らしやすい場所に住んだり、住みやすい空間つくりは大事です。洗濯・掃除・片づけなどの家事をすることは、運動となり認知症予防にも効果があると言われています。

身の回りの環境を整えつつ、必要な範囲でサポートを利用して自立した生活を送れるようにしましょう。

医療や介護業界でも重視されているQOLの向上

医療や介護業界ではQOLの向上がとても重視されています。

ひと昔前は、病気の治療が最優先でした。しかし現在では、薬剤使用による副作用や治療方法による日常生活への影響も含めて、患者にとっての生活の満足度や充実度を考えるようになりました。治療の効果と生活の質の両方を大切にしています。

QOLを高めるためにできることの一つでお話した「自立した生活」を送ることで幸福度が変わってきます。自立した生活を送るためには、リハビリテーション、福祉用具や介護サービスの利用などがあります。

まずは健康的な生活習慣を身につけ、趣味など好きなことをして、積極的に外出して他者とのコミュニケーションをとるようにしましょう。

もし足が不自由でひとりで行きたい場所に行きづらい、長時間歩くのがつらいという人には電動車いす(シニアカーなども含む)を利用することで行動の幅が広がりますよ。

その結果、生活の幅が広がり、QOLを高めます。

QOLの向上にシニアカーや電動車いすという選択

QOLの向上にシニアカーや電動車いすという選択

QOLの向上には、自由度を高める手段が重要です。

外出するときに、自分で歩行が難しくなってきたときは、シニアカー(電動カート)や電動車いすを選択するのもQOLを高める一つの手段です。

シニアカーや電動車いすには免許が必要ないため、運転免許を返納後の最適な移動手段になります。シニアカーと電動車いすは、移動の自立を支援し、日々の生活に活力をもたらします。外出機会を増やし、社会参加や趣味の維持を可能にし、高齢者の生活の質を大きく向上させる役割を果たしてくれるでしょう。

初めてシニアカー(電動カート)や電動車いすを利用する場合には専門業者に相談することをおすすめします。

電動カート(シニアカー)・車いすのことなら専門店の「げんき工房」に何でもおまかせです。

整備台数は年間10,000台以上、出張修理やメンテナンスも充実しています。電動車いすやシニアカーの操作方法や、任意保険についてもあわせてご相談ください。

まとめ:人生の質を高めるためにもQOLを意識した生活を

まとめ:人生の質を高めるためにもQOLを意識した生活を

今回は、QOLについて解説しました。

病気やけが、加齢により今までのような日常生活が送れなくなることがあります。その時は、なにが自分にとって大切なのか、自分らしい生活とはどのような生活なのかを考えてみてください。

高齢者の生活の質を大きく向上させるためにも、外出機会を増やし、社会参加や趣味の維持を可能にする「シニアカー」の選択も視野に入れてることをおすすめします。

ぜひ一度、シニアカー専門店の「げんき工房」にご相談ください。

シニアカーでお出かけすることにより、生きがいをみつけて幸福度・満足度をあげてQOLを高めていきましょう。

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