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ユニバーサルデザインとは?日常に浸透しているデザイン例や7原則を紹介

2024.01.21

【シニアカーのエキスパート!シンエンス監修】バリアフリーと一緒に話題にあがることの多いユニバーサルデザイン。

ユニバーサルデザインとは、あらゆるすべての人が快適な環境を共有できるように考えられており、近年さまざまなエリアで使われているデザインです。

今回はユニバーサルデザインについて詳しく解説するとともに、バリアフリーとの違いやユニバーサルデザインを使うことで得られるメリットなどを紹介します。

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインとは、Universal(普遍的な)という言葉の意味にあるように、あらゆる人々が利用しやすい環境や製品を提供する設計思想です。

これは、障害の有無・年齢・性別・国籍などにかかわらず、すべての人が使いやすいと感じるデザインを目指しています。

この考え方は、1980年代にアメリカのノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授によって提唱されました。

メイス教授自身、幼い頃の病気が原因で電動車椅子を使用しており、その経験からユニバーサルデザインの重要性を認識しました。

彼は、障害の有無や度合いに関わらず、できるだけ多くの人が利用できるデザインを目指すべきだと考えたのです。

当時のアメリカでは「バリアフリー」という概念が広まっていましたが、ユニバーサルデザインはこれをさらに発展させ、より包括的なアプローチを提案したものです。

バリアフリーとの根本的な違い

バリアフリーとの根本的な違い

バリアフリーとユニバーサルデザインは混同されやすいですが、根本的な違いがあります。

バリアフリーは主に、障がい者や高齢者などの特定のグループのための障害を取り除くことに焦点を当てています。

【バリアフリーの具体例】

■車いす用スロープ

建物の入り口に設置された車いす用のスロープは、階段を使用できない人々のためのアクセスを提供します。

■点字ブロック

視覚障がい者のための歩道上の点字ブロックは、安全に歩行するための道案内を提供します。

一方で、ユニバーサルデザインはすべての人が等しく利用しやすい環境や製品を目指すものです。

【ユニバーサルデザインの具体例】

■自動ドア

手が塞がっている人、力が弱い人、車いす利用者など幅広い人々にとって利便性を提供します。

■段差のない広々とした空間設計

車いす利用者だけでなく、ベビーカーを押す人や、荷物を持つ人々も利用しやすいように、段差のない広々とした入り口や通路を設計します。

このように、ユニバーサルデザインのアプローチにより、一部の人だけでなく、社会全体が恩恵を受けることができます。

【事例あり】7原則とは?ユニバーサルデザインを考える上で必要な認識

参考:Copyright 1997 N.C. State University, The Center for Universal Design

ユニバーサルデザインには以下の7つの基本原則があります。

原則1:誰にでも公平に利用できること
原則2:使う上で自由度が高いこと
原則3:使い方が簡単ですぐわかること
原則4:必要な情報がすぐに理解できること
原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること(安全性)
原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること

引用:Copyright 1997 N.C. State University, The Center for Universal Design

【原則1:誰にでも公平に利用できること(公平性)】

1つ目の原則は、「誰にでも利用できるように作られており、かつ、容易に入手できること」と定義されています。

この原則は、年齢や能力にかかわらず、すべての人が同じように使えるものを作ることを意味します。誰もが使いやすく安心感があり、誰からも好まれる魅力的なデザインです。

【原則1:誰にでも公平に利用できること(公平性)】

たとえば、公共の建物に設置された自動ドアやスロープは、年齢や能力にかかわらず、誰もが利用しやすい設計です。

ベビーカー利用者や車いす利用者、手荷物を持つ人にも便利で、誰でも簡単に使えます。

【原則2:使う上で自由度が高いこと(自由度)】

原則2の定義は、「使う人のさまざまな好みや能力に合うように作られていること」です。

この原則では、右利きの人も左利きの人も、また、さまざまな好みを持つ人たちが自分の使いやすい方法で使えることが重要です。

【原則2:使う上で自由度が高いこと(自由度)】

エレベーターのボタン設計も自由度の高いユニバーサルデザインの良い事例です。

ボタンは、押しやすさ、視覚的・触覚的な識別性、高さなどの観点から設計されています。

たとえば、視覚障害者が触って識別できるように点字や凸凹があるボタン、または座ったままでも手が届く高さに設置されたボタンなどがこれにあたります。

【原則3:使い方が簡単ですぐわかること(単純性)】

これは「使う人の経験や知識、言語能力、集中力に関係なく、使い方がわかりやすく作られていること」と定義されています。

特別な経験や知識がなくても、すぐに使い方が理解できることです。複雑でなく、直感的に使えるものが理想です。

【原則3:使い方が簡単ですぐわかること(単純性)】

たとえば、ワンタッチで開閉できる折りたたみ傘は、単純性の原則に基づいています。

複雑な操作は不要で、ボタンを押すだけで簡単に開閉できるため、誰もがすぐに使い方を理解し、簡単に操作できます。

【原則4:必要な情報がすぐに理解できること(分かりやすさ)】

「使用状況や使う人の視覚、聴覚などの感覚能力に関係なく、必要な情報が効果的に伝わるように作られていること」と定義されています。

大切な情報を誰でも理解しやすい方法で伝えることが大切です。たとえば、大きな文字や分かりやすい絵を使うことで、必要な情報をはっきりと伝えます。

【原則4:必要な情報がすぐに理解できること(分かりやすさ)】

たとえば、交通信号機は視覚的なシンボル(赤、黄、緑のライト)を使用して、歩行者やドライバーに必要な情報を伝える典型例です。

これらの色は国際的に理解され、直感的に反応を引き出します。

【原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること(安全性)】

原則5の定義は、「ついうっかりしたり、意図しない行動が、危険や思わぬ結果につながらないように作られていること」としています。

この原則は、使っているときに安全であることを重視します。間違った使い方をしても大丈夫なように、危険なときには警告を出したり、危険やミスをできる限り防ぐように設計されています。

【原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること(安全性)】

たとえば、子供用の安全ハサミは、先が丸く加工されており、誤って自分や他人を傷つけるリスクを減らすように設計されています。

これは、安全性を重視したデザインの一例です。

【原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること(効率性)】

この原則の定義は、「効率よく、気持ちよく、疲れないで使えるようにすること」です。

この原則では、使うときに体に無理がかからないようにすることが大切です。自然な姿勢で使えて、あまり力を使わずに済むものが良いです。

【原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること(効率性)】

自動車の調節可能なシートは、効率性の原則を反映した一般的な例です。

運転者はシートの位置、角度、高さを自分の体型や好みに合わせて調整できます。

これにより、長時間の運転でも無理な姿勢を取らずに済み、疲労を軽減しながら快適に運転できるようになります。

【原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること(スペースの確保)】

これは「どんな体格や、姿勢、移動能力の人にも、アクセスしやすく、操作がしやすいスペースや大きさにすること」と定義されています。

立っていても座っていても、重要な部分が見えて手が届くような設計のことを指します。さまざまな体型や能力に対応できるスペースが必要です。

原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること(スペースの確保)】

身体障害者用トイレは、車いすユーザーが簡単に使用できる設計で、安全に使用できるように十分なスペースが確保されています。この設計は、さまざまな身体能力を持つ人々に配慮しています。

ユニバーサルデザイン例をいくつか紹介

ユニバーサルデザイン例をいくつか紹介

日常生活で見られるユニバーサルデザインの例には、自動ドア、段差のない入り口、大きく読みやすい標識、声で案内する信号機、多目的トイレなどがあります。

これらは特定のニーズを持つ人だけでなく、一般の人々にも利便性をもたらします。

たとえば、荷物が多いときの自動ドアの利用や、ベビーカーでの段差のない入り口の利用など、私たちは日常の多くのシーンでユニバーサルデザインの恩恵を受けています。

ユニバーサルデザインの具体例

街中に溢れているユニバーサルデザインの具体例を紹介していきます。

次のお出かけでぜひ見つけてみてくださいね。

①ピクトグラム

ピクトグラムとは、絵記号や象徴的なイメージを使って情報を伝えるシンプルな図形のことを指します。

これらの図形は、言語の壁を超えて、多くの人に情報を簡潔に伝えることができるユニバーサルデザインです。

②スロープ

スロープは、車いす利用者やベビーカーを押す人、荷物を運ぶ人、歩行に不便を感じる高齢者など、幅広い人々の移動の助けになります。

スロープの設計は、傾斜角度が緩やかであること、滑りにくい表面、手すりの設置など、安全で使いやすいことが重要です。

これにより、建物や公共スペースへのアクセスが改善され、すべての人が平等に利用できる環境が提供されます。

③多目的トイレ

多目的トイレは、さまざまなニーズを持つ人々が利用できるように設計されたトイレです。

特徴として、広いスペース、手すりの設置、緊急呼び出しボタン、低い位置の鏡や洗面台、おむつ交換台などがあります。

性別に関係なく利用できることが多く、家族づれや介護が必要な方にとって、とても便利な設計になっています。

④センサー式の蛇口

手をかざすだけで水が自動的に出るセンサー式の蛇口は、力が弱い人や手が不自由な人でも使いやすいです。

小さな子どもを抱っこしている時なども簡単に水を出すことができます。

必要な時だけ水が出る仕組みなので環境にも貢献するデザインとなっています。

ユニバーサルデザインはSDGsとも深いかかわりがある

ユニバーサルデザインは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与しています。

特に、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標10「人や国の不平等をなくそう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」の目標は、ユニバーサルデザインの理念と深く関連しています。

それぞれの目標とユニバーサルデザインとのかかわりついて解説していきます。

目標4:質の高い教育をみんなに

教室、図書館、校舎へのアクセシビリティを高めることで、障がいがある人もない人も同じ教育環境を共有できます。

教材やウェブサイトのデザインも、全ての生徒が情報を等しく取得できるために不可欠です。

目標10:人や国の不平等をなくそう

ユニバーサルデザインは、社会的な不平等を減らす効果があります。

公共の場所やサービスをすべての人がアクセスしやすいようにすることで、経済的・社会的・物理的な障壁を取り除き、平等な機会を提供することができます。

目標11:住み続けられるまちづくりを

ユニバーサルデザインは、すべての人が共に快適に暮らせる持続可能な都市とコミュニティの構築を目指しています。

公共スペースにスロープをつけてアクセスしやすくするなど、ユニバーサルデザインによって、快適で安全な住環境の提供や、自然環境に配慮した都市開発などを実現できます。

まとめ:特定の人のためではなくすべての人に使いやすいデザインを目指して

まとめ:特定の人のためではなくすべての人に使いやすいデザインを目指して

ユニバーサルデザインは、特定の人々だけでなく、すべての人に利用しやすいデザインを目指すものです。

日常生活の中でこれらのデザインに触れることにより、私たちはより快適な社会を実現することができます。

ユニバーサルデザインで設計された場所が増えると、高齢者の方もお出かけがしやすく、楽しみが増えますよね。

高齢でもご自身で移動やお出かけを楽しみたいときには、自操式電動車いすやシニアカーがおすすめです。

スマホで電動車いすの現在地や移動ルートを確認できる、モニスタの電動車いすモニタリングシステムをあわせて使えば、離れて暮らすご家族も安心して利用を見守ることができます。

モニスタの詳しい機能や対応している電動車いすについてもっと知りたい方は、モニスタの公式サイトをご覧ください。

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