車いすの選び方|暮らしに合わせた種類と押さえておきたいポイントを解説
- 2026.03.27
最終更新日 2026.3.27.
歩行に不安が出てきたときや、病気・ケガをきっかけに歩行が困難になったとき、日常生活の移動を助ける車いすの導入を検討するご家庭も多いでしょう。
移動の負担を軽減し、暮らしを豊かにするためには、体格や身体状態、利用シーンに合った一台を選ぶことが大切です。一方で、車いすは種類が多く、利用者の状態や使う場面によって適したタイプが異なるため、選択に迷うこともあります。
本記事では、車いすの種類と特徴、選び方のポイントをわかりやすく整理します。生活に合った一台を選ぶ際の参考にしてください。

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目次
車いすとは|自走式と介助式の違い

自走式車いす|自分で操作して移動できる
自走式車いすは、利用者がハンドリム(車輪の外側の輪)を手で回し、自分の力で移動するタイプです。特徴は以下のとおりです。
・後輪が20〜24インチ程度と大きく、直進時の安定性が高い
・後輪が大きいため少ない力でも進みやすく、小さな段差も乗り越えやすい
・介助者が使えるブレーキ付きの機種もあり、介助用としても利用できる
一方で、後輪が大きく本体も重くなりやすいため、持ち運びにはやや不便です。また、小回りが利きにくいため、狭い場所では扱いにくい場合があります。
介助式車いす|介助者が押して移動する
介助式車いすは、利用者自身では操作せず、介助者が後ろから押して移動するタイプです。通院や外出時の補助など、短距離の移動で多く用いられます。特徴は以下のとおりです。
・後輪が6〜16インチ程度と小さく、小回りが利きやすい
・軽量で折りたたみやすく、車への積み込みや収納がしやすい
ただし、利用者自身では操作できないため、長距離の移動や坂道では介助者の負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。
【シーン別】車いすのタイプと特徴

車いすには、自走式・介助式といった操作方法の違いに加え、利用シーンに合わせたさまざまなタイプがあります。ここでは、暮らしのなかで起こりやすい課題ごとに、どのような車いすが向いているかを紹介します。
長時間快適に利用したい
車いすは同じ姿勢で過ごす時間が長くなりやすく、疲れや体のずれ、痛みを感じる方も少なくありません。そこで役立つのが、ティルト機能やリクライニング機能を備えた車いすです。ティルト機能は、座面ごと傾けることでおしりのずれを防ぎ、姿勢を安定させます。
リクライニング機能は、背もたれを倒すことで、体重が集中しやすい部分の圧力を背中や腰へ分散させる仕組みです。なお、これら2つの機能を組み合わせたタイプもあります。構造が複雑なため、一般的な車いすより価格は高くなる傾向がありますが、長時間快適に過ごしたい方に向いています。
外出や車での移動を重視したい
車への積み込みや持ち運びの機会が多いと、車いすの重さや大きさが介助者の負担になりがちです。こうした場合は、軽量で折りたたみができる車いすがおすすめです。
軽量・折りたたみ式の車いすは、軽量設計で持ち上げやすく、折りたたむことでコンパクトに収納できます。車のトランクにも積み込みやすく、通院や買い物、旅行など外出時の移動負担を軽減できるのが特徴です。
軽さやコンパクトさを重視している分、長時間の使用や段差の多い場所では一般的な車いすより使いにくい場合があります。一方、必要な場面だけ無理なく使えるため、外出をより気軽に楽しみたい方に適しています。
室内での移動を快適にしたい
自宅内や施設内での移動が中心の場合、「廊下や部屋が狭くて通りにくい」「方向転換がしづらい」といった悩みが生じやすくなります。このような場面では、小回りがききやすいコンパクトな車いすが役立ちます。
コンパクトタイプの車いすは、本体がスリムで全長も短く、タイヤが小さいため、狭い室内でも動かしやすいのが特徴です。なお、室内での使いやすさを重視しているため、屋外の段差や悪路では走行しにくい場合があります。自宅など、限られたスペースでもスムーズに動きたい方におすすめです。
ベッドやトイレへの移乗をスムーズにしたい
ベッドやトイレへの移乗(乗り移り)を日常的に行う場合、肘置きや足元のパーツが邪魔になり、介助の負担が大きくなりがちです。こうした悩みには、移乗のしやすさに配慮された多機能タイプの車いすがおすすめです。
多機能タイプの車いすには、アームサポート(肘置き)の跳ね上げや、フットサポート(足置き)のスイングアウト機能などが備わっています。身体の横移動がしやすく、介助時の動線を確保しやすい点が特徴です。
機能が増える分、標準的な車いすより重量があり、価格も高くなる傾向があります。移乗時の動作しやすさや、本人と介助者双方の安全や負担軽減を重視したい方は、多機能タイプの車いすを検討するとよいでしょう。
車いす選びで迷わないための3つのポイント

車いす選びで押さえておきたいポイントは、以下の3つです。
①本人の状態
②使用環境
③介助者の負担
それぞれ解説します。
①本人の筋力・姿勢・体格に合っているか
車いす選びでは、まず本人の身体状態に合っているかを確認することが重要です。自分でハンドリムをこいで移動できる場合は自走式、体力に不安がある場合は電動タイプ、操作が難しい場合は介助式など、身体の状態によって適した車いすは異なります。
また、長時間座る際に姿勢を保つのが難しい場合は、ティルト機能やリクライニング機能など、姿勢をサポートする機能が役立つこともあります。さらに、体に合ったサイズを選ぶことも大切です。サイズが合わないと姿勢が崩れ、身体への負担が大きくなる可能性があります。
サイズ選びの目安は以下のとおりです。
・背もたれ:肩甲骨の下あたり
・座幅:お尻の幅+3〜5cm
・座面奥行き:膝裏より少し短め
・座面の高さ:膝下の長さに合わせる
クッションや座面の高さなどを調整できるタイプもあります。利用者に実際に座ってもらい、体に合った車いすを選びましょう。
②使用環境(屋内外・段差)に適しているか
車いすは、どこで使うかによっても適したタイプが変わります。例えば、室内での利用が中心なら、狭い廊下や部屋でも方向転換しやすいコンパクトな車いすが向いています。一方、屋外での使用が多い場合は、段差や砂利道でも進みやすい大きめのタイヤや、安定性の高い車いすがよいでしょう。
自宅周辺に坂道や段差が多い環境であれば、介助時の負担も考慮しながら選ぶことが大切です。また、通院や外出で車に積み込む機会が多い場合は、軽量で折りたたみやすい車いすを選ぶことで、持ち運びの負担を軽減できます。
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③介助者が無理なく扱える重さ・操作性か
車いすを選ぶ際には、介助者の扱いやすさも重要なポイントです。車いすが重すぎると、押す・持ち上げる・車に積み込むなどの動作負担が大きくなります。特に外出時は、坂道や段差などで操作しやすさが介助の負担に影響するため、注意が必要です。
持ち運びや積み込みの機会が多い場合は、アルミ製など軽量(10kg前後)でコンパクトな車いすを選ぶとよいでしょう。日常的に使うものだからこそ、「押しやすい」「持ち上げやすい」といった扱いやすさを重視することが大切です。
移動負担を軽減する車いすの選択肢|電動車いす

日常の移動をよりスムーズにする選択肢として、「電動車いす」があります。電動車いすの主なタイプは以下の2つです。
①自分で操作するタイプ
②介助者をサポートするタイプ
利用者自身が操作するタイプには、ジョイスティック形とハンドル形があります。
| ジョイスティック形 | ・手元のレバーで操作するタイプ ・腕力に不安がある場合でも少ない力で扱いやすい |
| ハンドル形(シニアカー) | ・ハンドル操作で移動するタイプ ・歩行に不安がある方の移動手段として活用されることが多い |
電動車いすは少ない力で操作できるため、体力に不安がある場合でも外出しやすくなり、生活の質(QOL)の向上につながることもあります。また、介助が必要な場合は、電動アシスト付きの車いすがおすすめです。
| 電動アシスト付き | ・介助者が車いすを押す力を、モーターが補助するタイプ ・上り坂や、芝生や砂利道などの悪路でも、比較的軽い力で押すことができる |
モーターの力で移動をサポートするため、介助者の負担を軽減できます。
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電動車いすの外出も安心して見守れる「モニスタ」

電動車いすを活用すると移動範囲が広がり、買い物や散歩など外出の機会も増えやすくなるでしょう。外に出ることには、気分転換や生活リズムを整えるといったメリットがあります。
一方で、「ちゃんと帰ってこられるだろうか」「今どこにいるのかわからない」といった不安を感じる家族も少なくありません。そのようなときに役立つのが、電動車いすの利用時に位置情報などを活用して見守りができるサービス「モニスタ」です。
スマートフォンやパソコンの管理画面から、現在地や走行ルートを確認できるほか、走行状況や衝撃検知、メンテナンス通知などの機能も備えています。電動車いすによる外出の自由を保ちながら、家族が安心して見守れる環境づくりをサポートします。
まとめ:生活に合った車いすを選び、無理のない暮らしを続けよう

車いすには、自走式・介助式といった操作方法の違いだけでなく、姿勢のサポート機能や持ち運びのしやすさなど、用途に応じたさまざまな種類があります。本人の身体状態や生活環境、介助者の負担などを踏まえ、利用しやすい1台を選ぶことが大切です。
また、移動の負担を軽減するためには、電動車いすがおすすめです。少ない力で移動できるため外出しやすくなるほか、介助のしやすさの向上も期待できます。
一方で、外出時の安全面に不安がある場合は、モニスタのような見守りの仕組みを取り入れることも一つの方法です。利用者と家族の両方にとって無理なく使える車いすを選び、安心して過ごせる環境を整えていきましょう。



