シンエンスのお役立ちコラム

電動車いす、電動カートの分からないこと、不安なことをわかりやすく解説!
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【電動車いすの点検を習慣に】安心を支えるチェックポイントを解説!

2025.08.31

最終更新日 2025.8.31.

「電動車いすは便利だけれども、もし故障したら…」「離れて暮らす親が、安全に使えているのか心配」このような不安を抱えている高齢の利用者やご家族は少なくないでしょう。

実際、電動車いすのバッテリー劣化による踏切内での立ち往生や、タイヤ破損による事故など、異常の見落としが思わぬトラブルにつながったケースも報告されています。

この記事では、電動車いすを安全に長く使うための点検方法や頻度、そして消耗部品の交換時期が近いことを把握できる「モニスタ」をご紹介します。便利な電動車いすを、安心・安全に長く使い続けたい方は、ぜひ参考にしてください。

電動車いすの「もしも」に備える!点検が大切な3つの理由

電動車いすの「もしも」に備える!点検が大切な3つの理由

電動車いすを安全かつ快適に使い続けるには、日常的な点検と定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、「安全・使いやすさ・長持ち」の3つの視点から、点検の必要性を分かりやすく解説します。

①事故を防ぐため

電動車いすの事故は、利用者の操作ミスや不注意だけでなく、電動車いす自体の不具合が原因で起こる場合もあり、実際に以下のような事故が報告されています。

・ブレーキが効かず、急な坂道で止まれずに転倒した
・バッテリーの不調で道路横断中に急停止し、接触事故を起こした

このような事故を未然に防ぎ、電動車いすを安全に使い続けるために欠かせないのが点検です。

②使いやすさを保つため

電動車いすの操作性や乗り心地は、利用者にとって大切なポイントです。例えば、タイヤの空気圧が足りないと操作性が低下し、スムーズな移動が難しくなります。また、フレームのわずかなゆがみにより姿勢が崩れ、体に負担がかかることも。

使いやすい状態を維持して快適に外出を楽しむためにも、日常的な点検は欠かせません。

③長く使うため

電動車いすは毎日の生活に必要な存在だからこそ、長く大切に使い続けたいものです。日々の点検で小さな異常に早く気づければ、故障が深刻化する前に対処できるため、高額な修理費用の発生を防ぐことにもつながります。

点検は、電動車いすを安全・快適・経済的に使い続けるために重要な習慣なのです。

電動車いすを安心して利用し続けるための点検頻度とポイント

電動車いすを安心して利用し続けるための点検頻度とポイント

電動車いすの点検はタイミングも重要です。ここでは、日常点検と定期点検それぞれに必要な頻度や役割を、詳しく解説します。

日常点検|乗る前の「ちょっと確認」を習慣に

日常点検は、故障や事故を未然に防ぐための重要な行動です。「ちょっと変かも?」という違和感に早く気づけるように、乗る前の確認を習慣にしましょう。

日常的に確認したい項目は以下のとおりです。

・バッテリー残量は十分か、充電状態に異常はないか
・タイヤにひび割れや摩耗はないか、空気圧は十分か
・操作部(ジョイスティック・ハンドル)に違和感はないか
・ブレーキが確実に効くか
・フレームに変形や破損、ガタつきはないか
・各種スイッチは正常に反応するか
・本体からの異音・異臭はないか

目で見るだけではなく、実際に触れて確認すると、普段との違いに気づきやすくなります。特に、バッテリー・タイヤ・ブレーキの異常は、重大事故の原因となり得るため、重点的にチェックしましょう。

たとえ小さな異常でも、そのまま使い続けると電動車いすそのものが使用できなくなり、日常生活に支障をきたすおそれもあります。少しでも違和感があればすぐに使用を中止し、専門業者へ修理を依頼することが重要です。

なお、点検の具体的な方法は機種ごとに異なる場合があるため、あらかじめ取扱説明書で確認しておくと安心です。

定期点検|半年〜1年に1回はプロに任せて安心を

専門業者による定期点検は、日常点検では見つけにくい精密機械部分に劣化や接続不良がないかを確認するために行います。定期点検の目安は、半年から1年に1回です。購入店・メーカーの認定修理取扱店・専門の点検サービス業者などに依頼して行いましょう。

専門業者による定期点検の主な項目は、以下のとおりです。

・モーターや駆動部の作動具合、クラッチの状態
・ブレーキの効き具合、ワイヤーやレバーの状態
・バッテリーと充電器の作動具合、端子の接続状態、コードの状態
・フレームの変形・破損・ネジのゆるみ、異音の有無
・操作・制御部(ハンドル、ジョイスティック、アクセルレバー、各種スイッチなど)の反応、接続部の緩みや損傷の有無

電動車いすのタイプに応じた点検も、プロの視点で丁寧に行われます。また、専門の道具でタイヤ溝やバッテリーの充電性能を測定するため、客観的な視点からも安全性が担保されて安心です。

電動車いすを安全・快適に使用し続けるために、日常点検と定期点検の両方を習慣にしましょう。

【日常・部位別】電動車いすを長く安全に使うための点検ポイント

【日常・部位別】電動車いすを長く安全に使うための点検ポイント

ここでは、利用者ご本人やご家族でもできる「見て・触れて確認」できるチェック項目を、部位ごとに分かりやすくご紹介します。

バッテリー

バッテリーの点検項目は、以下のとおりです。

・充電残量が極端に減りやすくなっていないか
・端子にサビや汚れがないか
・コードが折れたり、ゆるんだりしていないか
・本体に熱や異臭がないか

バッテリーの不調により、走行中に突然動かなくなるケースもあります。異常があれば無理に使用せず、専門業者へ問い合わせましょう。

タイヤ

タイヤの点検は、以下の項目を確認します。

・き裂・摩耗がないか
・金属片・石・異物などが刺さっていないか
・空気タイヤであれば空気圧が十分か

タイヤがすり減って溝がなくなっている場合や、変形して走行に支障がある場合は交換が必要です。また、タイヤの内側に草やひもなどが絡み付いていると、正しく回転できず故障の原因になります。タイヤだけでなく、接続部までしっかり確認しましょう。

なお、安全のために、点検は必ず電動車いすの電源を切って行ってください。

操作部

ジョイスティック・ハンドル・スイッチなど電動車いすの操作部は、型式によって仕組みが異なります。

電動車いすのタイプに合わせて、以下の項目をチェックしましょう。

①ハンドル形電動車いす(シニアカー)
 ・ハンドルを動かしたときにガタつきや引っかかりがないか
 ・アクセルレバーを離すと停止位置に戻るか

②ジョイスティック形電動車いす
 ・レバーを離したとき、正確に中央位置に戻るか

③ハンドル形・ジョイスティック形共通
 ・押しボタン・レバーがスムーズに動き、正常に作動するか
 ・表示ランプが正常に点灯するか

操作部に不具合があると、電動車いすの制御が効かなくなり事故につながるおそれがあります。違和感があれば使用を控え、販売店やメーカーに点検・修理を依頼しましょう。

ブレーキ

ブレーキの仕組みも電動車いすの型式によって異なります。型式に合わせて、以下の項目をチェックしましょう。

①ハンドル形電動車いす(シニアカー)
 ・手動ブレーキレバーの握り具合や戻りがスムーズか
 ・電磁ブレーキと手動ブレーキレバーのロック機構の両方が確実に利くか

②ジョイスティック形電動車いす
 ・ブレーキ解除レバー(クラッチレバー)の切り替えがスムーズに行えるか
 ・自動でかかる電磁ブレーキが坂道などでも車体を保持できるか

③ハンドル形・ジョイスティック形共通
 ・駐車ブレーキ(手動・電動)が確実にかかるか
 ・ブレーキレバーの操作がスムーズか
 ・ブレーキ作動時に異音がしないか

ブレーキの不調は、傾斜のある道で停止できずに転倒や衝突を起こす原因になります。違和感があればすぐに使用を中止し、専門業者に点検を依頼しましょう。

車体(本体・フレーム)

電動車いす本体やフレームの点検項目は、以下のとおりです。

・ネジやボルトの緩み・外れがないか
・フレームや足台に変形・ヒビがないか
・走行中に異音やガタつきがないか

車体がゆがむと、まっすぐ走れずにバランスを崩しやすくなり、転倒などのリスクが高まります。傾きやガタつきを感じる場合は放置せず、専門業者へ相談しましょう。

配線・接続部

配線コードまわりの点検では、以下の項目を確認します。

・コードが擦れて破れていないか
・接続部にサビやほこりが溜まっていないか

配線トラブルは、突然の故障や発火につながる可能性があり非常に危険です。走行中に焦げ臭いニオイがした場合は、ただちに使用を中止してください。

日常的に点検を行うことで、見落としがちな小さな異変に気づくことができます。そして早めに異常を把握し適切な対処を行うことは、電動車いすの安心・安全な長期使用につながります。使用前の点検を習慣にして、電動車いすでの外出を快適に楽しんでください。

電動車いす点検の不安を「モニスタ」の見える化で解消!

電動車いす点検の不安を「モニスタ」の見える化で解消!

電動車いすの点検を定期的に行っていても、「タイヤやバッテリーなどの交換目安はいつだろう?」と、不安になる方も少なくありません。

例えば、電動車いすのバッテリーの交換時期は、1回の充電で走れる距離が短くなったときです。しかし、その微妙な変化にご自身で気づくことは難しく、交換サインを見逃してしまう場合も。

そのまま利用を続けると、踏切走行中や交差点横断中にバッテリー切れで動けなくなり、事故につながる危険があります。

モニスタ」は電動車いすの使用状況から、タイヤやバッテリーなど消耗部品の交換時期を予測します。交換時期が近づくと専門スタッフが電話でお知らせするため、適切なタイミングでの部品交換が可能です。

より安心・安全に電動車いすを使い続けたい方は、日常点検や定期点検に加えて、モニスタの導入をぜひご検討ください。

まとめ:電動車いすを安心して使い続けるために「点検」という習慣を

まとめ:電動車いすを安心して使い続けるために「点検」という習慣を

電動車いすを安全で快適に長く使い続けるためには、日常点検とプロによる定期点検の両方が欠かせません。

こうした点検の習慣は、部品の劣化による事故や故障を防ぐための大切な行動です。特にタイヤやバッテリーなどの消耗部品は、適切なタイミングでの交換が必要ですが、その見極めが難しい部分でもあります。

そこで、点検の不安や見落としを減らすために、電動車いす用モニタリングシステム「モニスタ」を活用するのがおすすめです。

モニスタを電動車いすに取り付けると、利用者の使用状況に合わせて消耗部品の交換時期が近いことを専門スタッフが電話でお知らせします。さらに、電動車いすの走行距離や使用頻度も確認できるため、利用者と離れて暮らすご家族にとっても安心です。

ご自身の安心のために、そして大切なご家族のために、「モニスタ」の導入をぜひご検討ください。

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