サービス付き高齢者住宅のサポート内容とは?メリットや注意点も解説
- 2025.08.31
最終更新日 2025.8.31.
高齢者の住まいとして近年注目されているのが、サービス付き高齢者住宅です。見守りや生活支援などのサービスを受けながら自立した生活を続けたい方に適しており、外出の自由度が高い点も支持されています。
一方で、介護施設との違いや具体的なサービス内容がわかりにくいと感じる方も少なくありません。この記事では、サービス付き高齢者住宅の特徴やサービスについて、わかりやすく解説します。
目次
サービス付き高齢者住宅とは?基本的な内容と特徴

ここでは、サービス付き高齢者住宅の特徴や種類、安全面への配慮について解説します。
高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅
サービス付き高齢者住宅は、高齢者が自立した生活を送れるように設計された賃貸住宅です。室内は段差をなくし、廊下には手すりを設けるなど、バリアフリー住環境に加え、安否確認や生活相談といった見守りサービスも提供されています。
入居後も外出や趣味を楽しみながら自分らしい暮らしを続けられ、プライバシーにも配慮されたなかで必要に応じて生活や健康面の支援を受けられます。
一般型と介護型の2種類
サービス付き高齢者住宅には、一般型と介護型(特定施設)の2つのタイプがあります。
項目 | 一般型 | 介護型(特定施設) |
---|---|---|
対象者 | 自立・軽度支援が必要な方 | 要介護認定を受けた方 |
介護体制 | 外部サービスと個別契約が必要 | 施設内に介護スタッフが常駐 |
一般型は、自立して生活できる方を対象に、見守りや生活相談といったサービスを中心に提供しています。介護が必要になった場合は、訪問介護など外部サービスの個別契約が必要です。
一方の介護型は、介護スタッフが常駐しており、食事や入浴などの介助を施設内で受けられます。それぞれの違いを理解したうえで、利用される方の健康状態や暮らし方に合わせて選びましょう。
安全性と快適性に配慮した住環境
サービス付き高齢者住宅は高齢者が安心して暮らせるよう、以下のような設備・環境が整えられています。
設備・環境 | 目的・効果 |
---|---|
建物全体が段差のない床や手すりを備えたバリアフリー構造 | 転倒や事故を防止 |
緊急通報ボタンの設置 | 異変時にすぐ対応可能 |
原則25㎡以上の居室(キッチン・トイレ・浴室などを完備) | 自立した生活をサポート |
施設によっては、共用スペースに温泉やシアタールーム、カラオケ、レストランなどが設けられ、入居者同士の交流の場として活用されています。
サービス付き高齢者住宅で提供される主なサポート内容

サービス付き高齢者住宅は、高齢者が自分らしく安心して暮らせるよう、さまざまなサポートを提供しています。
サービスの種類 | サービス内容 |
---|---|
基本サービス | ・スタッフによる1日1回以上の安否確認 ・生活全般に関する相談受付 |
施設ごとに異なる追加サービス (有料の場合あり) | ・緊急通報システムの設置や異変発生時の迅速な対応 ・管理栄養士が監修した栄養バランスの取れた食事の提供 ・掃除・洗濯・ゴミ出しなどの日常家事の代行 ・日用品や生活必需品の買い物支援 |
こうしたサービスは、入居者が無理なく自立した生活を続けられるよう支えます。さらに、離れて暮らす家族にとっても、支えのある環境は大きな安心につながります。
サービス付き高齢者住宅の入居条件と確認ポイント

サービス付き高齢者住宅には入居基準があり、同居や医療・介護の受け入れ体制は施設によって違います。ここでは入居条件と確認すべきポイントをご紹介します。
年齢や健康状態など、基本的な入居条件
サービス付き高齢者住宅は、誰でも入居できるわけではなく、一定の基準が設けられています。
・原則60歳以上の方
・要支援・要介護認定を受けた60歳未満の方
・自立して日常生活を送れる健康状態の方
多くの施設では連帯保証人や身元引受人の設定が必要とされ、さらに住民票の有無や集団生活への適応、経済面などが条件に含まれる場合もあります。入居を検討する際は、家族と話し合いながら、条件や必要書類、費用面などを施設ごとにしっかり確認しておきましょう。
家族やパートナーとの同居の可否
多くのサービス付き高齢者向け住宅では1人部屋が基本で、居室の広さや同居できる人数に制限があります。ただし、一定の条件を満たせば家族やパートナーとの同居が認められる場合があります。
主な対象となる方 |
---|
・配偶者または事実婚のパートナー ・60歳以上の親族 ・要介護認定を受けている家族 |
このほか、特別な事情があると自治体が認めた場合に同居できるケースもあります。同居を希望する場合は、事前に条件を確認しておきましょう。
医療や介護が必要な場合の受け入れ体制
医療的ケアや介護が必要な方の受け入れは、施設の種類や体制によって異なります。一般型は、外部の訪問介護や医療機関と連携してサービスを提供するのが基本です。
一方、介護型(特定施設)では、施設内で介護サービスや医療的な支援を受けられる環境が整っています。日常的に医療行為やリハビリが必要な場合は、看護師の常駐状況や医療機関との連携体制、提供可能なサービス内容を事前に把握しておきましょう。
選ばれる理由とは?サービス付き高齢者住宅のメリット

ここでは、サービス付き高齢者住宅が選ばれる主な理由やメリットを5つご紹介します。
介護度が低い段階から入居できる
要支援や要介護1〜2の比較的介護度が軽い方でも入居できます。健康状態が安定しているうちに住み替えれば、将来の介護に備えやすくなります。
住み慣れた環境で支援を受けながら、自分らしい暮らしを続けられるのも魅力です。早い段階で地域や職員との信頼関係を築けば、いざというときの安心につながります。
自立を維持しながら安心して暮らせる
できる限り自分の力で日常生活を続けながら、必要に応じて生活支援や見守りサービスを利用できる環境が整っています。
買い物や掃除など必要に応じたサポートが受けられ、外出や食事の時間も自由に調整可能です。そのため生活リズムや習慣を保ちやすく、心身共に無理のない暮らしを維持できます。
プライバシーを守りながら生活できる
サービス付き高齢者住宅はすべての居室が個室で、プライバシーに配慮された住環境が整っています。多くの住戸にはトイレやキッチンが備えられており、自宅に近い快適さも魅力です。
決まったスケジュールに縛られず自分のペースで過ごせるため、趣味や自由な時間を大切にしながら、自分らしい暮らしを続けられます。
入居時の費用負担を軽減できる
サービス付き高齢者住宅は、入居時の費用負担が比較的軽く、入居一時金が不要で初期費用は敷金のみで済むのが一般的です。
有料老人ホームに比べ経済的負担が軽く、長期契約を考えていない方や将来の住み替えを検討している方にも適しています。費用の負担が少ないため、将来の住まいの選択肢も広がります。
医療・介護とスムーズに連携できる
多くのサービス付き高齢者住宅では、医師や看護師が常駐していない場合でも、近隣の医療機関や訪問介護サービスと連携できる体制が整えられています。
そのため、急な体調変化や慢性的な持病への対応、将来の介護に備えたい方にも安心です。離れて暮らすご家族にも心強い環境といえるでしょう。
事前に知っておきたいサービス付き高齢者住宅のリスクや注意点とは?

ここでは、サービス付き高齢者住宅に入居する前に確認しておきたい注意点についてご紹介します。
介護状態によっては退去を求められるケースがある
介護度が高くなり、介助や見守りが常に必要になると退去を求められることがあります。住み慣れた環境を離れるのは大きな負担となるため、将来を見据えて支援体制を早めに整えておくと安心です。
なお、介護型のサービス付き高齢者住宅なら、介護度が上がっても住み続けられる場合もあります。
医療スタッフが不在の施設もある
多くの施設では、医療スタッフが常駐していません。体調不良や緊急時には、外部の医療機関や訪問診療を利用して対応するため、すぐに適切な処置が受けられない場合もあります。
医療面のサポートを重視する方は、提携医療機関や連携体制を事前に確認しておきましょう。
夜間対応が手薄な施設もある
夜間にスタッフが常駐しない施設では、転倒や急変時の対応が遅れるリスクが高まります。
深夜帯は見守り体制に限界があるため、近年はカメラやセンサーなどICTを活用した見守りシステムを導入する施設も増えています。
あわせて読みたい記事:「介護トラブルはICTで防ぐ!原因と家族でできる予防法を徹底解説」
外出が自由なため、安否確認が難しい場合がある
サービス付き高齢者住宅では、外出や外泊に制限がなく自由に行動できますが、施設外で転倒や体調不良などが起きた際、安否確認や対応が遅れる場合があります。そのため、 外出予定の共有や見守りセンサーの活用など、施設と連携した対策を取っておくと安心です。
施設ごとにサービス内容・質に差がある
どの施設でも安否確認や生活相談が義務付けられていますが、それ以外のサービス内容や質は施設によって異なります。
生活支援や介護体制、職員の対応にも差があり「想像と違った」と感じるケースもあります。後悔しないためにも事前見学でサービス内容を確認し、複数の施設を比較・検討しましょう。
追加費用が発生する場合がある
食事提供や掃除、買い物の付き添いなどの生活サポートは月額料金に含まれず、利用時に追加費用が発生するのが一般的です。そのため、想定よりも多くの費用負担が必要になるケースもあります。サービス内容と料金を確認し、無理のない予算を立てましょう。
電動車いすを見守るモニスタ。高齢者住宅での外出を安心なものに

サービス付き高齢者住宅では、電動車いすを利用する方も自由に外出できます。買い物や散歩など、普段の生活スタイルを大きく変えずに過ごせる一方、外出中に転倒や体調の急変が起きると、対応が遅れるリスクもあります。
こうした不安の軽減に役立つのが、電動車いすに搭載できる見守りツール「モニスタ」です。専用ページから移動の履歴や使用状況を確認でき「どこを移動し、どのくらい利用していたか」がひと目でわかります。
自由な外出とご家族の安全を守るために、モニスタの導入をぜひご検討ください。
まとめ:高齢者住宅のサービスを正しく理解して納得の住まい選びを

サービス付き高齢者住宅は「自由な生活」と「見守りの安心」を兼ね備えた住まいとして注目されています。 納得できる住まいを選ぶためには、見学や資料請求で情報を集め、各施設の特徴を比較検討しましょう。
入居後は、GPS機能付き見守りサービス「モニスタ」の活用がおすすめです。外出時のお守りとして、また離れて暮らすご家族の安心を支えるツールとして、ぜひご検討ください。