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一人暮らしの高齢者が安心して暮らすには?リスクと対策を解説

2026.04.23

最終更新日 2026.4.23.

「親の一人暮らしが心配」「何かあったとき、すぐ気づけるか不安」そう感じている家族は多いでしょう。高齢者の一人暮らし世帯は年々増加しており、転倒や体調の急変、孤立など、注意しておきたいリスクがあります。

一方で、あらかじめ備えておけば、安心して暮らし続けることは十分可能です。この記事では、一人暮らしの高齢者に起こりやすいリスクと、具体的な対策をわかりやすく解説します。離れて暮らす親の安心な生活を守るためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

一人暮らしをする高齢者の現状とその理由

一人暮らしをする高齢者の現状とその理由

まずは、高齢者の一人暮らしがどのくらい増えているのか、またなぜ一人暮らしを選ぶのか、その現状と背景を見ていきましょう。

高齢者世帯の半数以上が一人暮らし

2024年(令和6年)の国民生活基礎調査によると、高齢者世帯のうち一人暮らし世帯は52.5%と最も多く、約903万世帯にのぼります。

令和7年版高齢社会白書によれば、一人暮らしの割合は年々増加しており、2020年(令和2年)には男性15.0%、女性22.1%、2050年(令和32年)には男性26.1%・女性29.3%に達すると見込みです。

高齢者の一人暮らしは、もはや特別なケースではなく「当たり前の暮らし方」になりつつあります。だからこそ、あらかじめリスクと対策を正しく知っておくことが重要です。

参考:厚生労働省|2024(令和6)年国民生活基礎調査の概況|結果の概要(P3)
   内閣府|令和7年版高齢社会白書|第1章 高齢化の状況(第1節 3)

高齢者が一人暮らしを選ぶ理由

高齢者が一人暮らしをする理由は、本人の意思によるものだけでなく、社会や生活環境が背景にあるケースも少なくありません。主な理由は以下のとおりです。

①本人の意思によるもの
・自分のペースで生活したい
・慣れ親しんだ家や地域を離れたくない
・子どもに迷惑をかけたくない

②社会・環境によるもの
・配偶者を亡くしてひとりになった
・子どもが遠方に住んでいて同居が難しい
・経済的な事情で一緒に暮らせる住まいを確保できない

一人暮らしを自ら選ぶ方もいれば、さまざまな事情から結果としてひとりになる方もいます。理由がどちらであっても、一人暮らしには共通のリスクがともないます。親の気持ちや事情を尊重しながら、安全に暮らし続けるための備えを一緒に考えていきましょう。

一人暮らしの高齢者に起こりやすい4つのリスク

一人暮らしの高齢者に起こりやすい4つのリスク

「元気だから大丈夫」と思っていても、一人暮らしでは家族と同居しているときには気づきにくいリスクが潜んでいます。ここでは、代表的な4つのリスクを解説します。

リスク①転倒や急病時の発見が遅れる

高齢者の一人暮らしで特に注意しておきたいリスクの一つが、転倒や体調が急変したときに、すぐに助けを呼べない状況です。例えば、浴室で足を滑らせて骨折した場合、家族と同居していればすぐに気づけます。

しかし一人暮らしでは、自力で助けを呼べなければ発見が遅れ、回復にも大きく影響します。急な発熱やめまいなど、体調が急変した場合も同様です。また、「なんとなく元気がない」「物忘れがひどくなった」といった日々の小さな変化は、離れて暮らしていると気づきにくいものです。

異変に気づく人がいないまま時間が経ち、症状が悪化してしまう場合もあります。「何かあったとき」に備えて、すぐに助けを呼べる仕組みをあらかじめ整えておきましょう。

リスク②孤独を感じて心身の活力が低下する

一人暮らしでは、話し相手がいない時間が自然と長くなります。仕事を辞めたときや配偶者を亡くしたときなど、交友関係が大きく変わるタイミングで孤立が進みやすく、生活のハリや生きがいが感じにくくなる場合もあります。

さらに、孤独は「気持ちの問題」にとどまりません。外出が減り、体を動かす機会が少なくなると、体力の低下につながることがあります。また、外出が減ることで孤立を感じやすくなり、認知機能の低下につながることもあります。

孤独は、本人が「寂しい」と感じる以上に、心身の健康に少しずつ影響を及ぼす可能性がある深刻なリスクです。定期的な訪問や地域の交流など、コミュニケーションの機会を意識的に保つことが大切です。

リスク③体調管理が不十分になる

年齢を重ねると、献立を考えることや食材の買い出し、料理などが少しずつ負担に感じるようになり、食事が簡単なものに偏りがちです。おにぎりやパンだけで済ませる日が増えると栄養バランスが乱れ、免疫力や筋力の低下につながる可能性があります。

その結果、感染症にかかりやすくなったり、転倒しやすくなったりと、日常生活に支障をきたすケースもあります。また、夏場の体調管理には特に注意が必要です。高齢者には脱水や熱中症の症状を自覚しにくく、エアコンの効いた室内にいても気づかないうちに重篤な状態になる可能性があります。

食事面や健康管理をサポートする、宅配弁当サービスやデイサービスの活用なども視野に入れておくと安心です。

リスク④犯罪・詐欺被害に巻き込まれやすくなる

警察庁の2024年の統計によると、特殊詐欺被害のうち65.4%が高齢者です。オレオレ詐欺や還付金詐欺、預貯金詐欺など、その手口は年々巧みになっており、「自分はだまされない」と思っていても被害に遭うケースがあとを絶ちません。

電話や訪問による詐欺だけでなく、点検・修理業者を装って家に上がり込んでの窃盗、高額商品を強引に売りつける悪質な訪問販売など、日常に潜む危険にも注意が必要です。高齢者の一人暮らしで特に問題なのは、異変を感じた際にすぐ相談できる家族がそばにいないケースです。

よくある手口を家族で共有しつつ、「迷ったらすぐ電話」の習慣をつけておきましょう。携帯電話の短縮ダイヤルに家族の番号を登録しておくなど、連絡しやすい環境を整えておくことが大切です。

一人暮らしの高齢者が安心して暮らすための4つの対策

一人暮らしの高齢者が安心して暮らすための4つの対策

ここでは、一人暮らしの高齢者が安心して暮らすための、具体的な安全対策を解説します。

対策①住環境を住みやすく整える

安全な暮らしの基本は、毎日過ごす「場所」を整えることです。転倒などの事故は、住まいのなかで起きることも少なくありません。身近な環境を整えるだけで、ケガのリスク軽減が期待できます。

すぐに取り組める工夫は以下のとおりです。

・段差にスロープを置く
・浴室やトイレに手すりをつける
・フローリングや浴室に滑り止めマットを敷く
・夜中のトイレ用に廊下に自動点灯照明を設置する

こうした小さな改善の積み重ねが、日々の安全につながります。

現在の住まいが高齢者の生活に合わなくなってきた場合は、住み替えも選択肢の一つです。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームは、見守りや緊急通報の仕組みが整いながらも、生活の自由度が高いのが特徴です。

あわせて読みたい:サービス付き高齢者住宅のサポート内容とは?メリットや注意点も解説

対策②地域交流やデイサービスで人とつながる

人とのつながりを意識的に作ることで、孤立を防ぐだけでなく、異変の早期発見にもつながります。日ごろから近所の方と交流しておくと、郵便受けに新聞がたまっている、夜になっても電気がつかないといった小さな異変に気づいてもらえる可能性が高まります。

家族が遠くにいるときほど、地域の目は心強い存在です。さらに、デイサービスの活用も人とのつながりを作るうえで効果的です。体操やレクリエーションで心身の機能を維持しながら、栄養バランスのとれた食事ができ、スタッフやほかの利用者との会話が孤立感を和らげてくれます。

異変があれば家族に連絡が入る体制が整っているため、離れて暮らす家族にとっても安心です。自己負担額は1日1,000〜2,000円程度が目安で、介護保険を活用すれば費用を抑えながら利用できます。

対策③生活支援サービスやかかりつけ医と連携する

近くに気軽に頼れる場所があることも、高齢者が安心して一人暮らしを続けるために大切です。地域のボランティアやNPOが提供する生活支援サービスを使えば、見守り・外出のサポート・家事の手伝いなど、一人では難しくなってきた部分を補いながら、住み慣れた自宅での生活を続けやすくなります。

また、かかりつけ医との連携も欠かせません。定期的に通院すれば体調の変化を早期に把握できるだけでなく、遠方の家族も医師と情報を共有でき、何かあったときに落ち着いて対応しやすくなります。

まずは市区町村の窓口や地域包括支援センターへの相談がおすすめです。地域包括支援センターは、介護・医療・生活の悩みを一括して相談できる身近な窓口です。「何から始めていいかわからない」段階でも気軽に足を運んでみてください。

対策④緊急時の通報サービスを活用する

どれだけ環境を整えても、予期せぬ事態はゼロにはできません。だからこそ、「万が一」のときの備えが、本人と家族の両方の安心につながります。

小型の緊急通報装置(ペンダント型・ボタン型など)であれば日常生活の邪魔にならず、もしものときにはボタン一つでオペレーターや救急に連絡を取ることができます。GPS機能つきであれば、携帯電話などで居場所の確認もでき安心です。

これらのサービスは、自治体が提供する無料または低価格のものから、民間の契約型のものまであり、生活スタイルや予算に合わせて選べます。いざとなれば助けを呼べる仕組みは、日々の不安を軽くしてくれるでしょう。

まとめ:一人暮らしの高齢者が安心して生活できるための環境を整えよう

まとめ:一人暮らしの高齢者が安心して生活できるための環境を整えよう

高齢者の一人暮らしは、本人の意思や社会的な背景からさまざまな理由で選ばれており、今や珍しくありません。しかし、転倒や孤独、体調管理の難しさ、犯罪被害など、一人暮らしならではのリスクがあることも知っておく必要があります。

大切なのは、限界が来てから考えるのではなく、元気なうちから少しずつ備えを整えていくことです。親が自分らしく安心して一人暮らしを続けられるよう、地域・専門家・サービスをうまく活用しながら、過ごしやすい環境を一緒に整えていきましょう。

「いつまで一人暮らしを続けられるのか」と不安を感じている方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

あわせて読みたい:高齢者の一人暮らしの限界はいつ?介護を検討するタイミングと家族ができる支援

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