介護をしながら働くための工夫を解説! 両立しやすい働き方も紹介
- 2025.12.24
最終更新日 2025.12.24.
介護をしながら働いていると「このまま働き続けられるだろうか」「どう両立していけばよいのか」と不安を感じる人は少なくありません。そのため、働き方を見直すなど、介護と仕事を両立しやすい環境づくりが重要になります。
この記事では、介護をしながら働く人の現状や課題、働き方の工夫や日々の負担を軽くするための方法について解説します。介護と仕事を無理なく続けるために、ぜひ参考にしてください。

電動車いす、電動カートのレンタル・販売を行う専門会社。高い技術力と豊富な実績で運転指導からメンテナンスまでトータル的にサービスを提供。そのほか歩行器のメーカーとしても、超コンパクトサイズから大型モデルまでラインナップ豊富に展開。
▷コーポレートサイトはこちら
目次
介護をしながら働く人が増えている現状と背景

介護をしながら働く人は、年々増えています。内閣府の調査によると、2022年には約629万人が家族を介護しており、そのうち約58%(約365万人)は働きながら介護を担う有職介護者でした。2012年と比べると約74万人増加しており、仕事と介護を両立する人が着実に増えていることがわかります。
有職介護者は40〜60代に多く、職場で責任のある立場を任される人が増える年代です。そのため、介護と仕事のバランスを取りにくく、離職を余儀なくされるケースも少なくありません。
介護を理由とした離職の増加は労働力不足を招き、社会全体への影響が懸念されるため、企業には仕事と介護の両立を支える制度づくりがより一層求められています。
※参考:内閣府 男女共同参画局「令和6年版 男女共同参画白書(概要版)」 (特-7図家族の介護をしている者の推移)
内閣府「11.仕事と介護の両立をめぐる状況」(介護をしている雇用者の年代別割合)
介護と仕事の両立が困難になる要因

介護の状況によっては、仕事との両立が難しいと感じるケースもあります。ここでは、要因を3つ解説します。
時間・スケジュール調整が難しい
急な通院の付き添いや体調変化などで予定変更が重なると、勤務時間の確保が難しくなります。スケジュール調整に追われる日が続くと、仕事との両立が困難に感じるでしょう。
心身の負担・ストレスを感じやすい
介護と仕事の両立が続くと、十分な休息や睡眠が取れず、ストレスや疲労が蓄積しやすくなります。仕事をしていても、気持ちが不安定になったり、集中力が低下したりといった影響が出ることもあり、両立が難しいと感じる要因となるでしょう。
職場理解・制度利用のハードルが高い
職場に介護事情を理解してもらえない場合、介護休暇や時短勤務などの制度があっても利用しづらくなります。柔軟な働き方が難しい環境では、急な対応が必要な場面でも制度を活用できず、介護と仕事の両立が困難になることがあります。
介護をしながら働く人に向いている仕事とは?

介護を続けながら働くには、自分の状況に合った働き方や職種を選ぶことが大切です。ここでは、両立に向いている仕事の特徴や職種を紹介します。
介護と両立しやすい働き方の特徴
介護と仕事を両立するには、介護状況に合わせた働き方を選ぶことが大切です。以下に、主な働き方とその特徴をまとめました。
| 働き方 | 特徴 |
|---|---|
| リモートワーク(在宅勤務) | 通勤不要パソコン・ネット環境があれば自宅で仕事ができる |
| 時短勤務 | 勤務時間を短縮して働ける正社員でも利用できる場合がある(企業の制度による) |
| シフト制勤務 | 勤務時間帯があらかじめ決まっている勤務シフトに応じて働く時間帯が変わる |
| フレックスタイム制度 | 始業・終業時間を自分で調整できる勤務時間に柔軟性がある |
| 短時間パート | 数時間単位で働ける勤務時間や勤務日数の調整が可能 |
それぞれの特徴を理解し、無理なく続けられる働き方を見つけましょう。
介護と両立しやすい職種
介護と仕事の両立における優先順位(収入・時間・精神的な負担など)は人それぞれ異なりますが、一般的に「時間の融通が利きやすい」「突発的な休みに対応しやすい」といった特徴を持つ職種は、両立がしやすい傾向にあります。
以下で紹介するのは、柔軟な働き方が選びやすく、介護と両立しやすいとされる職種の一例です。ご自身の状況と照らし合わせながら参考にしてください。
| 職種 | 特徴 |
|---|---|
| 事務職(派遣・パートなど) | 定時勤務が多く、リモート対応の職場もあるデイサービスの送迎など介護予定の調整がしやすい職場が多い |
| 在宅ワーク(業務委託・副業など) | 外出が難しい状況でも、自宅で隙間時間に働ける見守りや急な介助にも比較的対応しやすい |
| コールセンター(派遣・アルバイト) | 「週3日」「午前のみ」など短時間シフトが多く、介護の予定が立てやすい傾向にある |
| 販売・軽作業(パート・アルバイト) | 未経験可や短時間から働ける求人が多い介護の隙間時間を活用して働きやすい |
自分の介護状況に合わせ、職種だけでなく雇用形態も視野に入れて選ぶことが、介護と仕事を無理なく両立するためのポイントです。
介護をしながら働くための環境を整える

ここでは、介護をしながら働く人の負担を軽くするための環境の工夫や便利なツールを紹介します。
家族や周囲の協力体制を整える
介護と仕事を両立するためには、一人で抱え込まず、家族と役割を分担しながら協力体制を整えることが大切です。通院の付き添いや買い物など、役割をあらかじめ決めておくと負担が軽くなり介護を続けやすくなります。
また、家族だけで対応が難しい場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すると、利用できる支援やサービスについて案内してもらえます。家族の協力に加え、地域の支援も取り入れながら無理のない体制を整えていきましょう。
介護保険や自治体の制度を活用する
介護保険や自治体の助成制度は、介護負担を軽減するための公的な支援です。上手く活用して、環境を整えましょう。
| 支援 | 主な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 介護保険サービス | 訪問介護/デイサービス/ショートステイ/訪問看護/福祉用具レンタルなど | 1〜3割負担(要支援・要介護の認定が必要) |
| 自治体の助成制度 | 紙おむつ助成/タクシー利用助成/住宅改修費助成など | 自己負担の軽減(全額または一部助成) |
介護保険で利用できるサービスは、介護度によって異なるため、ケアマネジャーに相談しましょう。
また、助成制度の内容や対象も自治体ごとに異なるため、事前に地域包括センターや市区町村の窓口で確認しておくと安心です。
民間・自治体の介護保険外サービスを活用する
介護保険サービスだけでは補いきれない部分は、民間や自治体の介護保険外サービスを組み合わせることで負担を軽減できます。
【自治体の介護保険外サービス】
・見守り・安否確認
・緊急通報システム
・家事援助
・配食サービス(安否確認付き)
・外出/移動支援など
これらは自治体が独自に提供するサービスで、介護認定が不要な場合もあります。内容や負担額は自治体によって異なるため事前に確認しておきましょう。
【民間の介護保険外サービス】
・見守り・安否確認サービス
・家事代行
・配食サービス
・買い物代行
・外出/通院付き添いなど
民間企業が提供するサービスの利用料は全額自費となりますが、利用する人のニーズに合わせて柔軟に対応してくれます。
職場に相談し働き方を調整する
介護をしながら働くには、早めに職場へ状況を伝えて理解を得ることが大切です。現在の介護状況や業務への影響、希望する働き方について整理しておくと、勤務調整や会社の制度についても相談しやすくなります。
利用できる制度には、次のようなものがあります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 介護休業制度 | 対象家族1人につき通算93日まで取得でき、最大3回まで分割して利用できる |
| 介護休暇制度 | 1日・時間単位で取得でき、通院の付き添いや手続きなど短時間の介護に利用できる |
介護休業を取得した場合は、条件を満たせば「介護休業給付金」を受給できます。利用できる制度を事前に確認しておきましょう。
ICTを活用したツールを取り入れる
ICT(情報通信技術)は介護の現場でも活用されており、見守りや介護者の負担軽減に役立っています。
| 主なツール | 特徴 |
|---|---|
| 見守りカメラ | 職場や外出先から、自宅の様子をスマートフォンなどで確認できる |
| 連携アプリ | 安否や服薬、予定などを家族で共有でき、連絡や調整の負担を減らせる |
| モニスタ(電動車いす搭載ツール) | 電動車いすの位置や走行状況を専用ページから確認でき、外出状況を把握できるため安心できる |
これらのツールを活用することで、仕事中の不安を減らし、介護と仕事の両立もしやすくなります。
あわせて読みたい記事:「介護トラブルはICTで防ぐ!原因と家族でできる予防法を徹底解説」
介護をしながら働くために欠かせない心と体のケア

介護と仕事の両立を続けるためには、心身のケアが欠かせません。ここでは、 介護と仕事を無理なく続けるための3つのポイントを紹介します。
自分の時間を確保し気分転換する
介護と仕事を無理なく続けるためには、短い時間でも気分転換をすることが大切です。散歩をしたり趣味に触れたりと、自分のための時間を日常に取り入れてみましょう。
こうした時間が心身のリフレッシュにつながり、介護や仕事にも気持ちを切り替えて向き合えるようになります。ショートステイなどの介護サービスを利用して、自分の時間を確保するのも一つの方法です。
同じ立場の人と交流し悩みを共有する
介護と仕事を無理なく続けるためには、同じ立場の人とのつながりが大きな支えになります。 地域によっては、介護をしながら働く人同士が悩みや情報を共有できる場が設けられています。
対面での交流に加えてオンラインのコミュニティもあり、忙しい人でも参加しやすいのが特徴です。 こうした場に参加することで、介護にともなう不安や孤立感を和らげることができます。
日ごろの生活を整えて体調を管理する
介護と仕事を続けるためには体調管理が欠かせません。睡眠不足や十分な休息がとれないと疲労が蓄積し、体調不良につながるおそれがあります。
睡眠時間を確保する、短時間でも休息をとる、栄養バランスの良い食事を心がけるなど、生活習慣を見直して体調を整えましょう。
あわせて読みたい記事:介護疲れが及ぼす影響とは?負担軽減方法やおすすめアイテムを紹介
仕事中も家族の外出の様子をそっと見守れる安心ツール「モニスタ」

介護をしながら働いていると、家族が電動車いすで外出する際の安全が気になり、仕事に集中できないことも少なくありません。
モニスタ搭載の電動車いすなら、運転状況や走行距離を管理画面でリアルタイムに確認でき、外出中の様子を把握できます。また、週・月単位で走行距離や外出時間が記録されるため、外出の変化にも気づきやすくなります。
仕事中の“見えない不安”を少しでも軽くするために、モニスタをぜひご活用ください。
まとめ:介護をしながら安心して働き続けるために

介護をしながら働き続けるには、負担を抑える工夫と環境づくりが欠かせません。
例えば、GPS機能を搭載した「モニスタ」は、スマートフォンやパソコンの専用ページから現在地や使用状況を確認できます。家族の外出時の様子を把握できるため、仕事中の不安を和らげる手段としても心強い存在です。
安心して働き続ける環境づくりのために、ぜひモニスタの導入をご検討ください。



