介護疲れが及ぼす影響とは?負担軽減方法やおすすめアイテムを紹介
- 2025.09.30
最終更新日 2025.9.30.
日々続く介護のなかで、多くの方が直面するのが介護疲れです。気づかないうちに心や体へ負担が蓄積し、ストレスや疲労につながります。放置すれば、心身の不調や介護うつに発展する危険もあり、早めの対策が欠かせません。
この記事では、介護疲れの背景やリスクを解説し、負担を和らげる方法や日常で役立つアイテムをご紹介します。無理なく介護を続けるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

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目次
介護疲れを引き起こす3つの代表的な原因

介護疲れには、身体的・精神的・経済的な3つの原因があります。ここでは、それぞれについてわかりやすく解説します。
①身体的:介助や移動で積み重なる体への負担
多くの介護者(介護する方)は、食事や入浴の介助に加え、ベッドから車いすへの移乗や体位変換など、体力を必要とする動作を日々繰り返しています。
特に移乗介助は相手の体重を支えながら全身を使って行うため、腰や肩に大きな負担がかかります。実際に腰痛や肩こり、慢性的な疲労に悩む方は多く、休んでも十分に回復せず、体調不良や睡眠障害につながるケースも少なくありません。
正しい介助方法を身につけ、体の負担を少しでも減らす工夫をすることが重要です。
②精神的:不安や孤独感がもたらすストレス
介護が長く続くと、将来への不安や「自分がやらなければ」という思いから精神的な負担が大きくなり、気分が落ち込みやすくなります。
特に認知症の家族の介護では、思うように介護が進まず、苛立ちや無力感から大きなストレスを抱える方も少なくありません。さらに、相談できる相手がいないと孤独感が強まり、介護うつへつながる危険もあります。
精神的な負担を和らげるには、支援の場を確保し、安心して介護を続けられる環境づくりが大切です。
③経済的:介護費用や収入減による生活の不安
介護にかかる費用は、介護サービスの自己負担や医療費、福祉用具の購入、住環境の改修など多岐にわたります。
介護保険を利用しても出費は避けられず、長期化すれば家計の負担は大きくなります。さらに、介護のために勤務時間を減らしたり、離職したりする方も少なくありません。
経済的な不安を和らげるには、介護保険や自治体の支援制度の活用がおすすめです。
介護疲れがそれぞれの立場に与える影響

介護疲れは、介護をする方・受ける方・支える方のそれぞれに影響を及ぼします。
①介護をする方|心身の変化
腰痛や肩こり、睡眠不足などの不調が重なると、体力だけでなく気力も消耗します。気持ちが不安定になると心身への負担が増し、介護うつのリスクも高まります。
・腰痛や肩こりが続き、体のつらさを感じる
・睡眠不足が続き、疲れが取れにくくなる
・気分が落ち込み、不安を感じやすくなる
介護疲れを解消するには、趣味やリフレッシュの時間を確保し、心にゆとりを持つことが大切です。
②介護を受ける方|不安や負担
介護を受ける方は、介護者の疲れや苛立ちから厳しい言葉を受けたり、介護を放棄されたりするおそれもあります。
・介護者の疲れや苛立ちを感じ取り、罪悪感を抱くようになる
・疲弊した介護者の厳しい言葉で傷つき、心が不安定になる
・必要なケアが受けられず、生活の質が下がる
ケア不足の状態が続くと、生活の質の低下や心身への負担につながります。介護施設など外部サービスの利用も検討しましょう。
③介護を支える方|関係性の変化
介護疲れは、介護を支える家族や兄弟との関係にも影響します。
・介護の負担が一人に偏り、不満が生じる
・意見の食い違いで感情的になり、関係がぎくしゃくする
こうした不満や衝突が続くと、家族関係が悪化し、孤立につながるおそれもあります。
信頼関係を保つためには、介護分担や情報共有を行い、日ごろから話し合う姿勢が大切です。
介護疲れを軽減するために効果的な方法

介護疲れを軽減するには、一人で抱え込まず介護サービスや支援を活用するのが大切です。ここでは効果的な方法をご紹介します。
介護サービスの利用で休息時間を確保する
介護者が安心して休むためには、介護サービスを活用するのが効果的です。
サービス | 内容 | 効果 |
---|---|---|
デイサービス | 日中に施設を利用し、生活支援を受ける | 休息や自分の時間を確保できる |
ショートステイ | 泊まりで施設を利用し、生活全般の支援を受ける | 旅行や休養の時間が確保できる |
訪問介護 | 自宅で生活支援を受ける | 家事や介助の負担を軽減できる |
医療的なケアが必要な場合は、レスパイト入院(一時入院制度)を利用できる場合もあります。利用を検討する際は、ケアマネジャーに相談しましょう。
家族や周囲のサポートで負担を分散する
家族や地域のサポートがあれば、負担を抱え込まず介護を続けやすくなります。
サポート | 内容 | 効果 |
---|---|---|
家族で役割を分担 | 食事・入浴・通院など協力して行う | 負担が分散し、無理なく続けられる |
地域支援の活用 | 自治体サービスやボランティアを利用する | 日常の介助負担が減り、気持ちに余裕が生まれる |
コミュニティへの参加 | 同じ立場の人と交流し、情報を共有する | 孤独感や不安が和らぎ、安心につながる |
自治体サービスには配食や外出支援などがあります。内容は地域ごとに異なるため、各自治体に確認しましょう。
介護しやすい住まいと生活環境を整える
介護負担を減らすには、住まいや生活環境の工夫が欠かせません。
対策 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
手すりの設置 | 廊下や浴室に取り付け、立ち座りや移動を補助する | 転倒を防ぎ日常の見守りが楽になる |
スロープの設置 | 玄関や室内の段差をなくし、車いすや歩行をスムーズにする | 移動を安全にし見守りの負担が軽くなる |
足元灯やセンサーの設置 | 廊下や寝室に取り付け、安全を確保する | 夜間の見守りがしやすくなる |
住環境の工夫は、介護者の負担軽減や介護疲れ防止にもつながります。
ICTの活用で安心と時間のゆとりを得る
ICT(情報通信技術)のツールは介護でも注目されており、見守りや負担軽減に役立ちます。
ツール | 内容 | 効果 |
---|---|---|
見守りセンサー | 転倒や異常を自動で検知し通知する | 異常を察知し、介護者の安心につながる |
カメラ・モニタリング機器 | 映像で様子を遠隔確認する | 状況を把握でき、常時付き添う負担を減らせる |
連携アプリ | 家族で介護情報を共有する | 家族で連携し、協力体制を築ける |
ICTを上手に活用すれば、安心と時間のゆとりが生まれ、介護疲れの解消につながります。
あわせて読みたい記事:「介護トラブルはICTで防ぐ!原因と家族でできる予防法を徹底解説」
介護疲れを軽減する目的別おすすめアイテム

介護疲れを軽減するには、体の状態や生活に合った介護アイテムを選ぶことが大切です。
移乗や立ち上がりを楽にするアイテム
移乗や立ち上がりは、介助のなかでも特に負担が大きい動作です。専用アイテムの活用により、介護者の負担を軽減できます。
アイテム | 特徴 |
---|---|
スライディングボード | ・椅子やベッドから車いすへの移乗をサポートする補助具 ・体を滑らせるだけで移動が可能 ・抱え上げる動作の負担を軽減 |
起立補助機器 | ・立ち上がりを支える機器 ・ベッドや椅子からの起立動作を補助 ・転倒の不安を軽減 |
電動ベッド | ・起き上がりや立ち座りを補助 ・リクライニングや高さ調整が可能 ・介護保険の福祉用具レンタルの対象 (※原則要介護2以上。要介護1は特例時のみ。) |
体の状態に合ったアイテムを取り入れ、安心して移乗や立ち上がりができる環境を整えましょう。
食事や水分補給をしやすくするアイテム
食事や水分補給を助けるアイテムは、使いやすく工夫されており、自立を促しながら介護者の負担も軽減します。
アイテム | 特徴 |
---|---|
食事用エプロン | ・食べこぼしで衣服が汚れるのを防ぐ ・片付けや洗濯が楽になる ・防水タイプや使い捨てタイプなど種類がある |
ストロー付きコップ | ・姿勢を大きく変えずに水分補給できる ・むせにくく、飲みこぼしも軽減できる ・洗って繰り返し使える |
シリコンスプーン | ・やわらかい口当たりで安全に食事ができる ・熱を伝えにくく、口に入れても安心 ・すくいやすい形で、食事を助け、自立を促す |
こうしたアイテムは、インターネットや介護用品店で手軽に購入できます。まずは手ごろな価格のものから試してみましょう。
排泄や衛生ケアを快適にサポートするアイテム
排泄や衛生のケアは、尊厳を守るうえでも大切です。適切なアイテムを使えば、自立にもつながり負担も軽減できます。
アイテム | 特徴 |
---|---|
ポータブルトイレ | ・夜間や移動が難しいときに使える ・設置が簡単で家庭でも導入しやすい ・消臭や洗浄機能付きタイプもある |
防水シーツ・マット | ・尿漏れによる寝具の汚れを防ぐ ・片付けや洗濯が楽になる ・洗えるタイプと使い捨てタイプがある |
体拭きシート | ・入浴できないときに体を清潔に保てる ・使い捨てタイプは衛生的で、あと片付けも簡単 ・厚手や大判、保湿成分入りなど、用途に合わせて選べる |
排泄や衛生のケアは生活の質に直結します。便利なアイテムを活用し、清潔で快適な環境を整えましょう。
入浴時の安心と安全を守るアイテム
入浴介助は介護者の負担が大きく、転倒などの事故につながる危険もあります。安全に入浴するためには、補助アイテムの活用が効果的です。
アイテム | 特徴 |
---|---|
シャワーチェア | ・座って安定した姿勢で体を洗える ・高さや幅を調整でき、体格に合わせやすい ・膝や腰への負担を軽減でき、介護者のサポートもしやすい |
浴槽台 | ・浴槽内で安定して座り入浴できる ・浴槽内での立ち上がりがしやすい ・半身浴にも使用でき、体調に合わせた入浴ができる |
浴槽用手すり | ・工事不要で簡単に取り付けられる ・浴槽への出入りを安定させる ・転倒を防ぎ、安全に入浴できる |
入浴補助用具は介護保険の対象となる場合があります。購入を検討するときは、ケアマネジャーや福祉用具店に相談しましょう。
電動車いすでの外出時も安心!家族の不安をモニスタでサポート

外出時の付き添いや安全の確保は、介護する方にとって大きな負担や不安の原因となります。
こうした不安を和らげてくれるのが、電動車いすに搭載できる見守りツール「モニスタ」です。専用ページから移動履歴や利用状況を確認でき、どこを移動し、どのくらい利用したかがひと目でわかります。
介護する方の負担を減らし、ご本人の自由な外出を支えるために、モニスタの導入をぜひご検討ください。
まとめ:介護疲れを防ぎ、無理なく続けられる介護をめざそう

介護する方の負担は大きく、無理をすれば心身に不調をきたす恐れもあります。介護疲れを防ぐために、家族のサポートや介護サービスに加え、負担を軽減できる便利なアイテムを取り入れてみましょう。
ご自宅での介護でも、GPS機能付き見守りサービス「モニスタ」を活用すれば、電動車いす利用者の外出時の不安軽減や離れて暮らすご家族の安心にもつながります。無理なく介護を続けるための心強いアイテムのひとつとして、ぜひご検討ください。