電動車いすのタイヤ交換|必要性・目安・交換方法などを徹底解説!
- 2025.10.27
最終更新日 2025.10.27.
電動車いすを使っていると、「動きが重い」「曲がりにくい」といった小さな違和感を覚えることがあります。その背景には、タイヤの摩耗や劣化が隠れていることも少なくありません。そのまま使用を続けると、転倒や故障につながる恐れもあり危険です。
この記事では、電動車いすのタイヤ交換が必要な理由、交換時期の見極め方、交換の方法を解説します。さらに、交換時期の把握が難しいときに役立つサポートツール「モニスタ」もご紹介します。電動車いすで安心して外出を楽しむために、ぜひ参考にしてください。
※車いすのタイヤには、空気を入れて使用する「エアタイヤ(空気タイヤ)」と、タイヤ内に空気を含まない「ノーパンクタイヤ」があります。本記事では主にエアタイヤを前提に解説し、必要に応じてノーパンクタイヤの交換目安も補足します。

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目次
電動車いすのタイヤ交換が必要な3つの理由

電動車いすのタイヤは、エアタイヤ・ノーパンクタイヤを問わず消耗品です。使用を重ねると、摩耗や劣化により安全性や快適性が損なわれるだけでなく、電動車いす本体の寿命にも影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、タイヤ交換が欠かせない3つの理由を解説します。
事故リスクを避けるため
摩耗や劣化が進んだタイヤは、グリップ力が低下してブレーキが効きにくくなり、転倒や接触事故につながるおそれがあります。
さらに、ひび割れたタイヤは段差でパンクしやすく、外出先で突然動けなくなることも。安全な外出を続けるために定期的にタイヤ交換を行い、事故リスクを未然に防ぎましょう。
快適に操作するため
タイヤの状態は、操作性や乗り心地に直結します。例えば、空気不足のタイヤは地面との接触面が広がり走行時の抵抗が大きくなるため、動きが重く感じられることも。
また、バッテリー消費が早まり走行距離が短くなる原因にもなります。さらに、クッション性も低下するため乗り心地が悪くなる可能性もあります。タイヤの状態を整えておけば、軽快で快適な操作性が維持でき、外出をより楽しめるでしょう。
安全に長く使うため
タイヤの不調は、電動車いす本体へ大きな負担をかけます。摩耗したタイヤや空気が不足した状態のまま使用を続けると、バッテリーやモーターに余計な負荷がかかり、故障を引き起こす原因に。
また、転倒や接触でフレームが歪むと、本体の買い換えが必要になる場合もあります。タイヤの状態を保つことは、安全性を確保できるだけでなく、修理や買い替えコストの軽減にもつながります。
電動車いすを安心して長く使い続けるためには、定期的なタイヤのメンテナンスや交換が欠かせません。
電動車いすのタイヤ交換の目安

電動車いすのタイヤ交換のタイミングは、使用期間を目安に判断できます。タイヤの種類別の交換目安は以下のとおりです。
| タイヤの種類 | 交換の目安 |
|---|---|
| エアタイヤ | 1~2年程度 |
| ノーパンクタイヤ | 3~5年程度 |
目立った破損がなくても、タイヤのゴム部分は経年劣化によって弾力性が失われ、走行に影響が出る場合もあります。また、使用頻度・道路環境・使用者の体重などによってもタイヤの劣化速度は変わるため、上記はあくまでも目安と考えましょう。
電動車いすを安全に使用し続けるためにも、日常点検や専門家による定期的なチェックを行うことが大切です。
日常点検で電動車いすのタイヤ交換時期を判断!チェックポイント4選

日常点検は電動車いすのタイヤ交換時期の判断に役立ちます。タイヤは前輪・後輪で劣化や摩耗の進み方が異なるため、点検時はすべてのタイヤを確認しましょう。ここでは、使用前に確認したい4つのチェックポイントを解説します。
溝は十分に残っているか
タイヤの溝には、地面をしっかりとつかみ滑りにくくする役割があります。溝の深さは、専用の測定器やスリップサイン(摩耗限界マーク)で確認できます。
スリップサインはタイヤ側面にある三角マークの延長線上にあり、溝がこの高さになったら交換の目安です。スリップサインがないタイヤは、取扱説明書で安全なタイヤ溝の深さを確認し、専用の測定器でチェックすると安心です。
以下のような状態が見られた場合は、正しい位置で停止できなくなるため大変危険です。
・表面に凹凸がほとんどなく、つるつるしている
・(ノーパンクタイヤの場合)内部の素材が見えている
また、エアタイヤの場合はゴムが薄くなることで、小石や段差によるパンクのリスクも高くなります。安全な走行を維持するためにも、定期的に溝をチェックし、摩耗が進む前に交換しましょう。
タイヤにひび割れはないか
タイヤのひび割れは、経年劣化のサインです。側面や表面の細かい亀裂は、ゴムが硬くなり割れてきた状態を示しています。
ノーパンクタイヤも外側はゴムのため、ひび割れは発生します。ひび割れは見た目では分かりにくいため、タイヤを軽く押して確認しましょう。
以下のような状態が見られた場合は、早めの交換が安心です。
・表面や側面に細かいひびがある
・触ると弾力がなく、ゴムが硬い
エアタイヤの場合、ひび割れをそのままにして走行し続けると、タイヤ内部のチューブゴムが傷つき、パンクや空気漏れを引き起こすこともあり危険です。小さなひび割れでも放置せず、早めの交換で安全な走行を保ちましょう。
走行時に違和感はないか
電動車いすで走行中に「動きが重い」「止まりにくい」と感じたら、タイヤの劣化が進んでいる可能性があります。摩耗や劣化によりタイヤのグリップ力や弾力が低下すると、走行時の抵抗が増えて操作性が悪化します。
以下のような違和感があれば、一度使用を止めてタイヤを確認しましょう。
・ハンドルやスティックの操作が重く感じる
・停止までの距離がいつもより長く感じる
劣化したタイヤでの走行は操作がしにくくなるだけでなく、パンクやスリップによる事故を招く可能性があります。思わぬトラブルを避けるためにも、日常点検で使用前の安全チェックは大切です。
空気圧は基準値内か(エアタイヤの場合)
エアタイヤは、内部の空気が衝撃を吸収し、走行を快適にします。タイヤの空気が不足すると走行抵抗が増し、バッテリーの消費が早まるほか、段差でタイヤやチューブが傷み、パンクを引き起こす原因にもなります。
空気圧は専用のゲージで測るのが理想ですが、以下の方法で簡易チェックが可能です。
・強く押しても弾力がなく、跳ね返りを感じない
・座ったときに、タイヤが明らかに沈む(理想は接地面の長さが10cm程度)
上記のような場合は、空気不足のサインです。取扱説明書を確認して適正圧まで空気を補充しましょう。空気がすぐに抜ける場合は、チューブの劣化やバルブ破損の可能性があるため交換が必要です。
日常点検は、タイヤの摩耗や劣化を早期に発見できる行動です。思わぬ事故やトラブルを未然に防ぐためにも習慣化しましょう。
あわせて読みたい記事:「【電動車いすの点検を習慣に】安心を支えるチェックポイントを解説!」
電動車いすのタイヤ交換方法

日常点検で電動車いすのタイヤに異常が見つかった場合は、早めの交換が必要です。ここでは、自分で交換する方法と、業者に依頼する方法を紹介します。
自分で交換する
電動車いすのタイヤは、正しい手順と準備があれば自分で交換することもできます。必要な道具や新品タイヤは、通販サイトや福祉用具店などで購入可能です。
基本的な交換手順は以下のとおりです。
①電源を切り、車体を安定させる
②古いタイヤを取り外し、新しいタイヤに交換する
③(エアタイヤの場合)取扱説明書を確認し、規定値まで空気を入れる
※ノーパンクタイヤの場合は空気入れ不要
④試走をし、走行やブレーキに違和感がないか確認する
なお、電動車いすの車種によって、タイヤの種類・サイズが異なります。購入時には必ず取扱説明書やメーカーのサイトで適合品を確認しましょう。交換方法に不安がある場合は、事前に販売店や専門業者へ相談すると安心です。
業者に依頼する
タイヤ交換は力作業や専門知識が必要な場合もあり、慣れない方には難しいケースもあります。作業中にモーターや配線を傷つけるおそれもあるため、不安がある場合は専門業者への依頼がおすすめです。
主な依頼先は以下のとおりです。
・電動車いす取扱業者(レンタル・販売)
・介護用品店
・メーカーの販売店
業者によっては、自宅や外出先への出張修理サービスを提供しているところもあります。持ち込みが難しいときは、こうしたサービスを利用すると安心です。
また、タイヤ交換の際に電動車いす全体の点検も依頼すれば、より安全で快適な状態の維持が可能です。
電動車いすのタイヤ交換時期を逃さないモニスタの安心サポート

電動車いすのタイヤ交換は、安全に直結する重要なメンテナンスです。日常点検でタイヤの摩耗や劣化に早く気づければ、パンクや停止といった思わぬトラブルを防げます。
しかし、交換時期の目安はあくまで一般的なものであり、利用状況によって大きく異なります。そのため、交換のタイミングを自分で正確に見極めるのは簡単ではありません。
そのようなときに役立つのが「モニスタ」です。
モニスタは、電動車いすの使用状況から消耗部品の交換時期や状態を予測し、交換時期が近づくとスタッフが電話でお知らせ。適切なタイミングでのタイヤ交換をサポートします。
また、外出中の現在地をリアルタイムで確認できる機能もあります。万が一、外出先でパンクや故障が起きても、位置情報をもとにした対応が可能なため、離れて暮らすご家族にとっても安心です。
電動車いすでの外出をより安心して楽しみたい方は、モニスタの導入をぜひご検討ください。
まとめ:電動車いすのタイヤ交換を適切に行い安心と安全を手に入れよう

電動車いすのタイヤは消耗部品です。摩耗や劣化を放置すると、事故や故障の原因になるだけでなく快適性も損ないます。安全に使用を続けるためには、日常点検を習慣化し、タイヤの状態から交換時期を判断していくことが大切です。
交換時期の見極めに不安がある場合は「モニスタ」の導入もおすすめです。電動車いすの使用状況に応じたタイヤ交換時期をスタッフが電話でお知らせしてくれるので、適切なタイミングで交換でき、常に安全な状態で使用することができます。
安全なタイヤで、これからも安心・快適な外出を続けましょう。



