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電動車いす、電動カートの分からないこと、不安なことをわかりやすく解説!
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車いす(手動・電動)介助の不安を解消!基本操作やポイントを解説

2025.11.27

最終更新日 2025.11.27.

車いす(手動・電動)は、高齢者の生活や行動の幅を広げ、外出や移動の自由を支える大切なパートナーです。しかし、介助する家族にとっては、操作や介助方法などに不安を覚えることもあります。間違った介助は思わぬ事故につながるおそれもあるため、まずは基本を知ることが大切です。

この記事では、安全に車いす介助を行うための基本操作や点検方法をわかりやすく解説し、介助の負担を軽減する方法やサポートツールも紹介します。ぜひ参考にしてください。

※本記事では、電動カート(ハンドル形電動車いす)を除いて解説しております。

車いす介助を安全に行うための準備

車いす介助を安全に行うための準備

手動・電動を問わず車いす介助を安全に行うには、使用前の準備と点検が欠かせません。

車いすの広げ方とたたみ方を確認する

ここでは、車いすの広げ方・たたみ方の手順を紹介します。

【広げ方】
①ブレーキをかけて車いすを固定する
②座面中央を上から軽く押し、左右のフレームを開く
③座面が完全に平らになっていることを確認する
④背もたれを立てる(折りたたみ式の場合)
 ※背もたれを起こし、ロック金具(または固定ピン)で固定する
⑤フットレストを下げ、足を乗せやすく整える
 ※移乗時はフットレストを必ず上げておく
⑥電動車いすの場合は、バッテリーを接続し、電源スイッチをオンにする

【たたみ方】
①電動車いすの場合は電源スイッチをオフにし、バッテリーを取り外す
②フットレストを上げて、車体の内側にたたむ
③座面中央を上方向に持ち上げ、アームレストを引き寄せ、左右のフレームを折りたたむ
④背もたれを倒す(折りたたみ式の場合)
 ※ロック金具(または固定ピン)を外し、背もたれを倒す
⑤折りたたみ後、タイヤやフレームの状態を確認する

誤った手順で行うと、指を挟む事故や破損の原因にもなるため、操作前に必ず確認しましょう。

車いすの点検をする

使用前に次の項目を確認し、車いすに異常がないか点検します。

項目確認内容ポイント
タイヤ(エアータイヤの場合)空気圧が十分か、ひび割れや摩耗がないか空気が不足すると走行が不安定になるため、定期的に確認する
ブレーキ(手元式/押し手式)ブレーキの効きに異常がないかゆるみや引っかかりがあれば使用を控え、調整・点検を依頼する
座面張りが十分か、たるみや傾きがないか姿勢の崩れや転倒を防ぐため、安定した状態を保つようにする
フットレスト固定されているか、ぐらつきや高さのずれがないかゆるみがあると転倒の原因となるため、確実に固定する

      電動車いすを使用する場合は、バッテリーの残量も確認しておきましょう。

      あわせて読みたい記事:「【電動車いすの点検を習慣に】安心を支えるチェックポイントを解説!

      車いす介助に必要な基本操作と注意点

      車いす介助に必要な基本操作と注意点

      車いす介助では、基本操作を正しく行うことが、安全で安心な介助につながります。

      車いすを押す

      車いすを押すときは、正しい姿勢と安定した動きを意識することが大切です。

      【基本の姿勢と正しい押し方】
      ・背筋を伸ばし、肘を軽く曲げる
      ・腕の力に頼らず、体全体で押す
      ・手の位置は腰より少し下に保つ
      ・一定の速度で、急な動きを避ける

      不安定な体勢での操作や、力任せに車いすを押すことはバランスを崩す原因となり、思わぬ事故につながります。安全に走行できるよう、落ち着いて操作しましょう。

      ブレーキをかける

      車いすを止めるときは、平らな場所で速度を落とし、両手で押し手(グリップ)をしっかり握って安定させましょう。 停止したら、後輪の左右にあるブレーキレバーをかけてタイヤを固定します。

      ブレーキをかける際は、片手で押し手を支えながらブレーキレバーを操作し、反対側も同様に行います。 片方だけだと、わずかな傾斜でも動き出すおそれがあるため、必ず両サイドのブレーキをかけてください。 解除するときは周囲の安全を確認し、操作しましょう。

      段差を乗り越える

      段差を乗り越えるときは、前輪を持ち上げてから後輪を押し上げます。ティッピングバーを足で踏み、前輪を軽く浮かせて、ゆっくり押し上げましょう。段差を上がるときは前輪から後輪の順に、下りるときは、後輪から前輪の順に動かします。

      介助する際は、車いすの傾きや乗っている方の姿勢にも注意し、ゆっくりとした動作を心がけましょう。

      坂道を上る・下る

      坂道では、車いすの押し方や姿勢、速度の調整に注意して操作します。

      坂道基本操作
      上り坂・前向きで上り、体をやや前に傾ける
      ・腕だけでなく、体全体で車いすを支える
      ・ゆっくりと安定した速度で車いすを押す
      下り坂・後ろ向きで下り、体をやや後方に引く
      ・両手でハンドルを握り、車いすを安定させる
      ・介助ブレーキがある場合は軽くかけ、ない場合は体を後方に引いてゆっくり速度を調整する

      ひとりでの介助が難しい場合や、傾斜が急な場合は、複数人で介助するかスロープを使って操作しましょう。

      砂利道や側溝を通る

      砂利道や側溝などの不安定な道では、路面の状態に合わせた操作が必要です。

      路面の状態操作のポイント
      側溝や狭い溝・前輪が溝に取られないよう角度をつけて通過する
      ・前輪が落ちそうなときは、体を後ろに引いて前輪を浮かせる、または後ろ向きで越える
      砂利道・後輪に重心をかけ、後傾姿勢で慎重に押す
      ・タイヤが動きにくいときは、無理に押さずゆっくり進む

      不安定な路面で危険を感じたら、無理をせず安全なルートを選びましょう。

      車いす介助を安全に行うためのポイント

      車いす介助を安全に行うためのポイント

      ここでは、車いす介助を安全に行うための3つのポイントを紹介します。

      正しく座れているかチェックする

      姿勢の崩れは、転倒・転落・褥瘡(じょくそう/床ずれ)の原因になります。次の項目を確認し、正しい姿勢を保ちましょう。

      項目確認内容
      お尻の位置座面の奥までしっかり入っているか
      背中の位置背もたれに沿ってまっすぐ座れているか
      足の位置足裏がフットレストに安定して乗っているか

      車いすに正しく座ることで体圧が分散され、褥瘡(床ずれ)や転倒の予防につながります。また、体が安定することで、介助もしやすくなります。

      動作を行うときは必ず声かけをする

      介助を行うときは、動作だけでなく利用する方への声かけも大切です。

      声かけの目的
      ・車いすを利用する方に安心感を与える
      ・不意な動きによる転倒や驚きを防ぐ
      ・信頼関係を築き、介助をスムーズにする
      声かけのポイント
      ・動作の前に「これから○○しますね」と伝える
       例:「前に進みますね」「段差を上がりますね」など
      ・落ち着いたトーンで、ゆっくり・わかりやすく話す

      声かけは、安全確認だけでなく双方が安心して介助を行うための大切なコミュニケーションです。相手に寄り添った声かけを心がけましょう。

      外出前にルートを確認して安全を確保する

      安全に移動するためには、外出前のルート確認がとても大切です。以下の点もあわせてチェックしておきましょう。

      ・段差や坂道の有無を確認する
      ・狭い道や交通量の多い場所を避ける
      ・路面の状態に注意する
      ・休憩やトイレの場所を把握しておく
      ・天候や気温に合わせて、ひざ掛けや車いす用レインコートを用意する

      事前の確認と準備が安全な外出につながります。危険を感じたときは、無理をせず引き返しましょう。

      あわせて読みたい記事:「介護トラブルはICTで防ぐ!原因と家族でできる予防法を徹底解説

      車いす介助の負担を軽減する工夫

      車いす介助の負担を軽減する工夫

      ここでは、車いす介助の負担を減らすための工夫や便利なツールを紹介します。

      移乗時は正しい姿勢と動作を心がける

      ベッドや車いすの間で移乗を行うときは、正しい姿勢と動作を意識することで、介助の負担を減らせます。 無理な姿勢は腰痛の原因になるため注意が必要です。

      【負担を減らすためのポイント】
      ・背筋を伸ばし、膝を軽く曲げて体全体で支える
      ・介助を受ける方の体に近づき、重心を低く保つ
      ・無理に体を動かさず、相手の動きに合わせる

      無理なく介助を続けるために、正しい姿勢と動作を意識し、体への負担を減らしましょう。

      あわせて読みたい記事:「介護疲れが及ぼす影響とは?負担軽減方法やおすすめアイテムを紹介

      介助しやすい環境を整える

      車いす介助の負担を減らすには、住まいや暮らしの環境を整えることも大切です。介助しやすい動線をつくるために、家具の配置や通路の広さを見直してみましょう。

      例えば、玄関や室内の段差をなくしスロープを設置すると、車いすでの移動がスムーズになります。

      また、より安心して介助が行える住まいを選ぶことも大切です。サービス付き高齢者住宅のようにバリアフリー設計が整った住まいでは、移動や介助の負担を大きく軽減します。

      あわせて読みたい記事:「サービス付き高齢者住宅のサポート内容とは?メリットや注意点も解説

      便利なツールを活用する

      便利なツールを上手に活用することで、介助する方・介助を受ける方の負担を軽減できます。

      悩み・不安ツールメリット
      坂道や段差で押すのに力がいる電動アシスト車いす電動アシスト機能で、少ない力でもスムーズに移動できる
      姿勢が安定しない・転倒の危険がある車いすクッション体のバランスを整え、長時間でも安定した座位を保てる
      外出に同行できない場合があるモニスタ
      (見守りツール)
      GPS機能で位置や走行状況を確認できるため、1人での外出時も安心できる

      電動車いす(電動アシストを含む)は、要介護2以上や歩行が難しい場合などの条件により、介護保険を適用したレンタルができる場合があります。

      また、車いすクッションは介護保険でレンタル利用できる福祉用具の一つです。利用を検討する際は、ケアマネジャーに確認してみましょう。

      モニスタで電動車いすの外出をもっと安心・快適に!

      モニスタで電動車いすの外出をもっと安心・快適に!

      車いすでの外出は、家族が常に付き添えるとは限りません。通院や買い物など、ひとりで外出する際には、離れていても走行状況を確認できると安心です。

      そのようなときに頼りになるのが、電動車いすにGPS機能付きIoTデバイスを搭載した「モニスタ」です。位置情報や走行状況をスマートフォンやパソコンから確認できるため、外出に付き添えないときでも安心して見守れます。

      さらに、バッテリーやタイヤの交換時期も把握でき、快適で安全な外出をサポートします。

      まとめ:車いすでの介助を安全に続けるために

      車いすでの介助を安全に続けるために

      車いす介助を安全に行うためには、基本操作と正しい介助方法の理解が欠かせません。また、介助しやすい環境を整えることで、介助者の身体的な負担も大きく減らせます。

      さらに、GPS機能を搭載した見守りツール「モニスタ」を活用すれば、外出に同行できない場合でも、位置情報や走行状況を専用ページから確認でき、ご家族も安心して見守れます。外出時の安全対策として、ぜひ導入をご検討ください。

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