デイサービスとは|高齢者とその家族が知っておきたい基本を徹底解説
- 2025.12.24
最終更新日 2025.12.24.
高齢の家族を支えるなかで、「このまま自宅だけで大丈夫だろうか」「日中の見守りが難しい」と感じる方は少なくありません。こうした不安をやわらげる選択肢として利用されるのがデイサービスです。デイサービスは、高齢者が安心して日中を過ごせる環境を提供し、家族の負担も軽減する大切な支援の一つです。
この記事では、デイサービスの基本から、利用するメリットや注意点、施設の選び方、利用までの流れを分かりやすくまとめました。家族が無理なく安心して暮らせる環境づくりに、ぜひお役立てください。

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目次
高齢者が通う「デイサービス」とは?

一般的に「デイサービス」とは、高齢者が日帰りで施設に通い、食事や入浴、機能訓練などを受けられるサービスの総称です。制度上の名称は「通所介護」であり、原則として要介護認定を受けた方が対象ですが、要支援の方が利用できる仕組みも含めて広く「デイサービス」と呼ばれています。
介護保険制度に基づく支援の一つで、心身機能の維持や社会的孤立の予防、家族の介護負担の軽減などが主な目的です。制度上、デイサービスは大きく「通所介護」と「介護予防・日常生活支援総合事業」の2つに分けられます。
| 項目 | 通所介護 | 介護予防・日常生活支援総合事業 |
|---|---|---|
| 対象(基本) | 要介護1〜5 | 要支援1〜2、「基本チェックリスト」により「事業対象者」の判定を受けた方 |
| 制度管轄 | 国(厚生労働省) | 市区町村 |
| サービス内容 | 送迎、入浴、食事、レクリエーション、機能訓練など | 送迎、入浴、食事、レクリエーション、機能訓練など※ |
| 料金体系 | 1回ごと | 月額定額制または回数制※ |
※サービス内容、料金体系は自治体により異なる
本人の介護度に応じて、利用できるサービスや費用が変わるため、事前に介護認定を受け、状態に合った施設を選ぶことが大切です。
高齢者向けデイサービスの種類と特徴

高齢者向けデイサービスは、大きく3つの種類に分けられます。ここでは、それぞれの対象者やサービス内容を中心に解説します。
【生活支援が中心】一般型デイサービス
一般型デイサービスは、要介護1〜5の方が利用できるサービスです。送迎付きで、入浴・食事・レクリエーション・機能訓練など、日中の生活を総合的にサポートします。
なお、1日の定員が19〜49名の施設を「通常規模型」、定員50名以上の施設は「大規模型」と呼びます。
【少人数で手厚い】地域密着型デイサービス
地域密着型デイサービスも、一般型と同様に要介護1〜5の方が対象です。定員18名以下の小規模施設で、原則として施設と同じ市区町村に住む方のみが利用できます。
サポート内容は一般型と同様ですが、定員が少ない分、利用者一人ひとりに寄り添った細やかなケアが受けられるのが特徴です。
【リハビリが中心】通所リハビリ
通所リハビリ(デイケア)は、要支援・要介護いずれの方も利用できるサービスです。身体機能の維持・改善を目的とし、医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士などの専門職がリハビリを行います。
このほか、認知症の方を対象とした「認知症対応型通所介護」、医療的ケアが必要な方のための「療養通所介護」もあります。家族に合うサービス選びに迷う際は、ケアマネジャーに相談すると安心です。
高齢者がデイサービスに通うメリット

デイサービスの利用は、高齢者だけでなくその家族にもメリットをもたらします。ここでは代表的な4つのメリットを解説します。
他者との交流で活力が生まれる
デイサービスでは、レクリエーションや趣味活動を通じて、利用者同士の自然な交流が生まれやすい環境が整っています。会話やふれあいは、気分転換やストレス軽減につながり、「楽しみ」が見つかれば外出のきっかけにもなります。こうした変化は、日常に活力を生み出すでしょう。
心身の健康維持や認知症予防につながる
デイサービスは、利用者の心身の健康維持や認知症予防にもつながります。例えば、機能訓練や運動は身体機能の維持・向上が、脳トレやクイズなどは、認知症予防の効果が期待できるでしょう。さらに、外出や人との触れ合いは、孤立感の軽減や精神的な安定にもつながります。
家族の負担が軽くなる
デイサービスでは、送迎や入浴介助、見守りなどを専門のスタッフに任せられるため、家族は安心して自分の時間を確保できます。介護から離れる休息の時間は、心身の疲れやストレスを軽減し、長く介護を続けるために欠かせません。
体調の変化を見守ってもらえる
スタッフは、利用者の様子や体調の変化をこまめに観察しています。家庭では気づきにくい変化もプロの視点から共有されるため、病気の早期発見につながる可能性があります。看護師が常駐する施設であれば、健康相談や医療的ケアも可能です。
また、車いすからベッドへの移乗のコツや日常動作のアドバイスなど、介護の専門家から具体的な助言を得られることもあります。
高齢者がデイサービスに通う際の注意点

デイサービス利用には多くのメリットがありますが、利用前に確認しておきたい注意点もあります。ここでは、費用面と精神面の2つの注意点を解説します。
費用が発生する
デイサービスの基本料金は介護保険の対象ですが、食事代やおむつ代などは保険適用外で実費負担です。また、利用料金は、要介護度・利用時間・加算内容によって大きく異なります。利用回数が増えるほど月々の負担も増えるため、事前におおよその費用を確認しておくことが重要です。
家計とのバランスを見ながら、無理のない利用計画を立てましょう。
環境に慣れずストレスを感じる場合がある
デイサービスでは、複数の利用者と一緒に過ごすため、施設の雰囲気や人間関係にストレスを感じることもあります。また、家族以外からのサポートに申し訳なさを感じてしまう方もいるでしょう。
こうした不安を軽減するため、事前に見学や体験利用を行い、施設のスタッフとよく相談しながら決めていくと安心です。
高齢者がデイサービスに通う際の料金目安

ここでは、要介護1〜5の方が利用する「通所介護」の料金について説明します。
※要支援1・2の方向けの「介護予防・日常生活支援総合事業」は料金体系が異なるため、詳しくは市区町村や担当ケアマネジャーへご確認ください。
①料金の内訳
デイサービスの費用は、大きく以下の2つに分かれます。
・介護保険適用内:基本料金+加算料金(入浴・機能訓練などの特別プログラム代)
・介護保険適用外:食事やおやつ、おむつなどの日用品代
基本料金は、要介護度・利用時間・施設の規模(通常規模型・大規模型など)によって変わります。
②利用料金の目安
利用時間7〜8時間、通常規模型施設を利用した場合の、基本料金は以下のとおりです。
| 要介護度 | 自己負担額(1割)/1回 |
|---|---|
| 要介護1 | 658円 |
| 要介護2 | 777円 |
| 要介護3 | 900円 |
| 要介護4 | 1,023円 |
| 要介護5 | 1,148円 |
上記の金額に加えて、食事代や入浴料などの実費がかかります。
③具体例:要介護2の方が、週2回(月8回)通う場合
以下は、食事・入浴付きで週2回利用する場合の一例です。
1回あたりの費用
・基本料金:777円
・食事:700円
・入浴:約40円(40単位の1割負担)
・合計:約1,500円(1回あたり)
月額費用
・約1,500×8回=約12,000円
要介護度や利用回数によって費用は変動します。ケアマネジャーと相談し、無理のない範囲で利用計画を立てましょう。
高齢者のデイサービス選びのポイント

デイサービスを選ぶ際は、費用だけでなく、利用者の気持ちに寄り添い慎重に選ぶことが大切です。ここでは、安心して通える施設を見つけるための2つのポイントを紹介します。
通う目的や希望するサービスを決めておく
まず「何のために利用したいのか」整理しましょう。
・落ち着いて過ごせる場所がほしい
・リハビリをしたい
・交流を増やしたい
目的によって、選ぶべき施設の種類やサービス内容は大きく異なります。本人の希望も確認しながら選ぶことで、長く安心して通える場所が見つかるでしょう。
本人と一緒に見学して施設の雰囲気を確かめる
候補の施設が絞り込めたら、必ず本人と見学し、実際の雰囲気を確かめましょう。パンフレットだけでは分からない重要なポイントがあります。
・スタッフの対応や利用者の様子
・施設内の清潔さ
・入浴設備や介助方法
・食事やレクリエーションの内容
「ここなら安心して通える」と本人が感じられるかどうかが、何より大切です。複数施設を見学し、比較するとよいでしょう。
高齢者がデイサービスを契約するまでの流れ

デイサービスの利用には、要介護認定の取得や施設選びなど、いくつかのステップがあります。ここでは、初めての方でもスムーズに進められるよう、一般的な流れを紹介します。
手続きの流れは以下のとおりです。
①市区町村で要介護認定を受ける
②担当ケアマネジャーと相談しながら、候補施設を見学・体験利用する
③利用する施設を決め、ケアマネジャーはケアプラン(介護サービス計画)を作成する
④利用者はケアプランの内容を確認し、施設と契約する
⑤ケアプランに基づいて利用を開始する
要介護認定の申請から結果通知までは、原則30日以内とされています。多くのサービス事業者では、契約前の見学や体験利用を受け付けています。これらを積極的に活用しましょう。
※参考:厚生労働省|介護事業所・生活関連情報検索「サービス利用までの流れ」
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ここまで、デイサービスの利用について詳しく解説してきました。日中はデイサービスで安心して過ごせても、帰宅後や休日の見守りに不安を感じるご家族も少なくありません。
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まとめ:高齢者と家族の安心のためにデイサービスを活用しよう

デイサービスは、高齢者が日中安心して過ごせる場所であり、家族の介護負担を軽減できる支援の一つです。施設ごとにサービス内容や雰囲気が異なるため、実際に見学し、本人に合うかを丁寧に見極めましょう。
また、デイサービス利用時間外には、「モニスタ」のような見守りツールの活用もおすすめです。離れていても、日常の様子にそっと寄り添うことができます。家族みんなが安心して暮らすために、デイサービスや見守りツール「モニスタ」の導入をぜひご検討ください。



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