冬の電動車いすバッテリーは減りが早い?特性を理解して安全に使おう
- 2026.02.25
最終更新日 2026.2.25.
冬になると、電動車いすのバッテリーの減りが早くなったと感じ、「故障ではないか」と不安になる方も少なくありません。バッテリーは気温の影響を受けやすく、冬の寒さによって一時的に性能が低下することがあります。
この記事では、電動車いすで多く使用されているリチウムイオンバッテリーについて、冬に減りが早く感じられる理由や日常でできる対策を紹介します。ぜひ参考にしてください。

電動車いす、電動カートのレンタル・販売を行う専門会社。高い技術力と豊富な実績で運転指導からメンテナンスまでトータル的にサービスを提供。そのほか歩行器のメーカーとしても、超コンパクトサイズから大型モデルまでラインナップ豊富に展開。
▷コーポレートサイトはこちら
目次
冬になると電動車いすのバッテリーが減りやすいと感じる理由

ここでは、バッテリーの減りが早く感じられる理由を、内部要因と外部要因に分けて解説します。
内部要因|冬の寒さによってバッテリーが本来の力を出しにくくなる
冬にバッテリーの減りが早く感じられるのは、リチウムイオンバッテリーが低温の影響を受けやすい性質をもっているためです。電動車いすに使われているリチウムイオンバッテリーは、内部の化学反応によって電気を取り出していますが、気温が下がるとこの反応が鈍くなります。
その結果、電圧が低下しやすくなり、取り出せる電力が少なくなるため、満充電であってもバッテリーの持ちが短く感じられるのです。このように、冬にバッテリーの持ちが短く感じられるのは、劣化や故障によるものではなく、寒さによる一時的な変化と考えられます。
外部要因|冬の路面やタイヤの影響でバッテリー消費が増えやすくなる
冬は、道路環境やタイヤの状態といった外部要因の影響でも、バッテリーの減りが早く感じられることがあります。気温が下がるとタイヤは冷えて硬くなり、路面との抵抗が大きくなります。そのため、前に進むにはより多くの電力が必要となり、バッテリー消費が増えやすくなるのです。
また、空気圧が低下すると走行が重くなり、同じ距離でも電力消費が増えることがあります。このように、冬はバッテリー自体の特性だけでなく、路面やタイヤの状態といった走行環境の影響も受けやすいため、バッテリー消費が増えやすくなります。
あわせて読みたい記事:電動車いすのタイヤ交換|必要性・目安・交換方法などを徹底解説!
冬のバッテリーの減りは故障ではない?|リチウムイオン電池の特性

電動車いすに搭載されているバッテリーの多くは、リチウムイオン電池が使用されています。リチウムイオン電池はスマートフォンや電動自転車など、日常生活で身近な機器にも広く採用されています。
| リチウムイオン電池の主な特性 |
|---|
| ・充電して繰り返し使用できる ・軽量で多くの電気を蓄えられる ・気温によって性能に影響が出やすい |
リチウムイオン電池は、軽量でありながら十分な電気を蓄えられる特長があり、電動車いすでも本体重量を抑えつつ安定した走行距離を確保できます。一方で、低温環境では電池内部の化学反応が鈍くなるため電力を十分に取り出せず、バッテリーの減りが早く感じられる場合があります。
気温が上昇すると性能が回復することもあり、冬にバッテリーの減りが早く感じられても、必ずしも故障とは限りません。
冬のバッテリー対策|電動車いすでできる日常の工夫

ここでは、冬に気をつけたいバッテリーの保管方法や充電の工夫について解説します。
低温を避けて室内で保管する
リチウムイオン電池は、低温環境では電池内部の働きが鈍くなり、本来の性能を発揮しにくくなることがあります。そのため、冬は寒い場所や屋外に置いたままにせず、できるだけ室内で保管しましょう。
| 保管時のポイント |
|---|
| ・極端な高温・低温を避ける(目安:15〜25℃前後) ・直射日光を避ける ・風通しのよい場所を選ぶ |
出発前まで車体やバッテリーを室内に置いておくことで、走り始めの動作が安定しやすくなります。また、寒い屋外から室内へ移動した直後は、急激な温度変化によりバッテリー内部に結露が生じやすくなります。
水分が付着したまま保管すると電気系統のトラブルにつながる恐れがあるため、室内にしばらく置いて周囲の温度に慣らしてから保管しましょう。
冬場の充電方法を見直す
リチウムイオンバッテリーは、低温環境では性能が十分に発揮しにくくなり、走行距離が短く感じられる場合があります。そのため、冬場は充電のタイミングや環境に気を配ることが大切です。
| 充電時のポイント |
|---|
| ・屋外を避け、室内で充電する ・冷えたまま充電せず、室温に戻してから行う ・低温下では急速充電を避ける ・冬はこまめに充電する |
冬場はバッテリーの性能が低下しやすいため、残量が少なくなる前に早めに充電しておくと安心です。充電を行う際も、寒い場所から移動してすぐに接続せず、バッテリーの温度が落ち着いてから始めるようにしましょう。
結露など、水分が付着している状態での充電は、不具合の原因となる可能性があります。また、長期間使用しない場合も、満充電や完全放電のままではバッテリーに負担がかかりやすくなります。定期的に残量を確認し、50〜60%を目安に適度に充電することが大切です。
冬の外出を安全に|バッテリートラブルを防ぐための事前準備と対策

冬の電動車いすでの外出を楽しむためには、季節特有の変化を理解し、事前に対策を立てておくことが大切です。ここでは、冬場の外出時に意識したいポイントを整理します。
①走行距離の減少に備えた「ゆとりある計画」
冬は満充電の状態でも、いつもより走れる距離が短く感じられる場合があります。そのため、あらかじめゆとりをもった計画を立てておくことが大切です。
| 対策のポイント |
|---|
| ・外出前にバッテリー残量を確認する ・移動距離に余裕を持たせた計画を立てる ・ルートや所要時間を事前に確認する |
バッテリーの特性を理解したうえで、無理のない外出を心がけましょう。
②万が一に備えた「連絡手段とルートの確保」
外出先でのバッテリー切れやトラブルを未然に防ぐには、事前の備えが重要です。特に長時間や遠出の外出では、「何かあったときにどうするか」をあらかじめ想定しておくとよいでしょう。
| 対策のポイント |
|---|
| ・メーカーや販売店の連絡先を確認しておく ・介護・福祉タクシーを事前に調べておく ・家族に行き先を共有しておく |
事前に連絡手段や帰宅方法を確認しておくことで、万が一の時にも落ち着いて対応しやすくなり、気持ちに余裕を持って行動できます。
③負荷を抑えて効率良く走る「走行の工夫」
坂道や段差では電動車いすにかかる負荷が大きくなり、バッテリーの消費が増えやすくなります。残量が少ない状態では進みにくくなることもあるため注意が必要です。冬場は特に、省エネを意識したやさしい運転を心がけましょう。
| 対策のポイント |
|---|
| ・急発進・急加速を避け、加減速をゆるやかに行う ・坂道や段差の少ない平坦なルートを選ぶ ・無理にパワーで押し切らず、一定の速度で走行する |
日頃から負荷を抑えた走行を心がけると、消費電力を抑えられ、バッテリーを長持ちさせることができます。
④性能低下を感じたときの「セルフチェックと相談」
冬場に「バッテリーの減りが早い」「パワーが弱い」と感じても、必ずしも故障とは限りません。まずは、寒さによる一時的な影響なのか、経年劣化や故障によるものなのかを見極めることが大切です。
| 対策のポイント |
|---|
| ・暖かい室内で保管してから使用し、症状が改善するか確認する ・環境を変えても異常が続く場合は、点検を検討する ・判断に迷う場合は、早めに販売店やメーカーへ相談する |
バッテリーを室内で保管すると、冬特有の性能低下は和らぐこともありますが、同じ症状が続く場合は、寿命や故障の可能性も考えられます。自己判断せず、必要に応じて販売店やメーカーへ相談することが、外出時の安全と安心につながります。
電動車いすのバッテリートラブルにお悩みの方は、年間整備台数1万台以上の確かな実績を誇るげんき工房へお問い合わせください。経験豊富なスタッフがご自宅へ訪問し、一つひとつ動作を点検いたします。
冬のトラブルを未然に防ぐ|冬バッテリーの寿命と車体の点検ポイント

冬の寒さは、バッテリーだけでなく電動車いす全体に影響を与えます。一時的な寒さによる変化なのか、車体の劣化や故障によるものなのかを見極めるためには、日頃の点検が欠かせません。ここでは、冬場に確認しておきたい車体の点検ポイントについて整理します。
| 部位 | 変化 | メンテナンスの判断・対応目安 |
|---|---|---|
| バッテリー | ・満充電した直後から残量メモリが減る ・坂道で急にパワーが落ちる | 室内保管を試しても症状が改善しない場合は、経年劣化や故障の可能性があるため、バッテリーの交換を検討する |
| タイヤ | ・ゴムが硬くなり弾力が感じられない ・表面に深いひび割れが見られる | 空気圧を補充してもすぐに減る、ひび割れが目立つ場合は、タイヤの寿命である可能性が高いため、スリップ事故を防ぐためにも交換を検討する |
| 可動部・走行音(ブレーキ含む) | ・動きに重さを感じる ・走行音やブレーキの感覚がいつもと違う | 暖かい場所へ移動しても異音や重さが続く場合は、内部の部品故障やグリス切れの可能性があるため、点検・修理を依頼する |
バッテリーは、使用年数の経過とともに劣化します。メーカーが案内している交換時期や使用年数の目安を参考にしましょう。 また、タイヤや可動部、走行音に違和感がある場合は、安全のためにも早めに販売店やメーカーへ相談することが大切です。
電動車いすは、季節を問わず日頃から走行前後の点検や定期的なメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
あわせて読みたい記事:【電動車いすの点検を習慣に】安心を支えるチェックポイントを解説!
まとめ:冬のバッテリーを正しく理解し電動車いすの外出を安全に

冬に電動車いすのバッテリーが減りやすく感じるのは、必ずしも故障とは限りません。多くはリチウムイオン電池の特性によるもので、寒さによって一時的に本来の性能が低下している可能性があります。
そのため、低温環境を避けた保管や、冬場を意識した充電方法を取り入れるなど、バッテリーへの負担を抑える工夫が大切です。バッテリーの特性と冬特有の影響を理解し、寒い季節も電動車いすでの外出を安全に楽しみましょう。



で-家族旅行を楽しむための準備とは?-トラブル防止対策も解説-1-2.jpg)