高齢者の防災には備えが重要!災害前に準備したいポイントを紹介
- 2025.05.30
最終更新日 2025.5.30.
「高齢者に必要な防災対策は?」「安全に避難できるか不安」と、お悩みの高齢者が増えています。
高齢者が災害にあった場合、一般的な防災対策だけでは十分とはいえません。高齢者の体力や持病に合わせて、防災対策を行う必要があります。
この記事では、高齢者に必要な防災対策やポイントをご紹介します。災害時の備えに不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

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目次
高齢者に必要な防災対策とは?

災害はいつ起こるかわかりません。だからこそ、日頃からの備えが必要です。高齢者の場合、一般的な防災グッズだけでは不十分な場合がほとんどです。ここでは、高齢者に必要な防災対策をご紹介します。
高齢者独自の防災対策
高齢者が災害に備えるには、一般的な防災グッズだけでなく、ADL(食事・排せつ・移動など生活に必要な動作)や住環境に応じた備えも欠かせません。
介護食やとろみ剤、常用薬、紙おむつなどは、防災バッグや持ち出し用袋にまとめておくのがおすすめです。吸引器や血圧計など電気を使う医療機器がある場合は、停電や電池切れに備えて予備の電池やバッテリー、手動式の代替品などを準備しましょう。
避難が難しい高齢者は、家族や地域の方、介護サービスの担当者と避難方法や連絡手段を相談しておくことも大切です。
また、避難先や仮設住宅では体調を崩しやすいため、衛生面や食事の管理にも注意が必要です。それぞれの状況や体力に応じた備えが、高齢者にとっての防災対策となります。
高齢者が災害前に準備しておきたいポイント
災害時に慌てないためには、日ごろの備えが欠かせません。高齢者にとっても、事前の準備が安心につながります。準備しておきたい主なポイントは以下の3つです。
①:転倒や閉じ込めを防ぐため、家具の配置や動線を見直す
②:一般的な防災グッズに加え、高齢者向けの備えもする
③:避難所まで安全に移動できる方法を確認しておく
これらのポイントを日ごろから心がけておけば、突然の災害にも落ち着いて対応できます。
高齢者の防災対策1.自宅内の安全を確保しよう

災害時に命を守るためには、自宅内を安全に整えておく必要があります。ここでは、高齢者が自宅内で安全に過ごすために、日ごろからできる対策をご紹介します。
①大きな家具を固定してケガを防ぐ
大きな家具は地震で倒れる恐れがあるため固定しておくと安心です。家具の設置場所や種類に応じ、次のようなアイテムを活用しましょう。
家具の転倒を防ぐアイテム | 用途 |
---|---|
突っ張り棒 | 家具と天井の間に設置し、揺れによる転倒を防ぐ |
マット・ストッパー | 家具の下に敷き、ズレたり倒れたりするのを防ぐ |
ベルト | 家具と壁や柱をつなぎ、しっかりと固定する |
L字型金具 | 家具と壁をネジで留めて、強力に固定する |
賃貸でネジ留めが難しい場合は、突っ張り棒やマットの併用が効果的です。家具の配置や収納も見直し、安全な空間を整えておきましょう。
②非常時に屋外へ出られる経路を確保する
地震や火災などの災害に備えて、スムーズに外へ出られる経路を確保することも大切です。
高齢者は体力や運動能力が低下している場合が多く、災害時にスムーズな避難が難しくなります。自宅から外へ出る途中の通路や出入り口にものが置いてあると、避難が遅れ命に関わる事態に発展する危険性が高まります。
災害時に備えて、通路や出入り口に置いてあるものを片付けて避難経路を確保しましょう。避難時にドアや窓が開かなくなったり動かなくなったりするのを防ぐために、定期的な点検を心がけることも大切です。
また、夜間の災害に備えて、枕元に懐中電灯やすぐに履ける靴などを置いておくと暗闇でも落ち着いて避難できます。
高齢者の防災対策2.防災用品を準備しよう

高齢者の防災対策では基本の防災グッズに加え、体の状態に合わせた備えも大切です。避難時や自宅にとどまる際も、日ごろからの準備が安心につながります。
ここでは一般的な防災グッズと、高齢者が備えておきたい防災グッズをご紹介します。
①一般的な防災グッズ
災害への備えとして準備しておきたいのが、以下の一般的な防災グッズです。
備えておきたいもの | 用途・ポイント |
---|---|
水 | 1人1日3リットル、最低3日分(できれば1週間分) |
食料 | アルファ米、缶詰、レトルト、乾パン、など |
懐中電灯、ランタン | 電池式や充電式、予備電池も用意 |
モバイルバッテリー | スマホ用、ソーラー付きも便利 |
簡易トイレ(非常用トイレ) | 1人1日5回分を目安に |
口腔ケア用品 | 液体歯磨き、携帯用歯磨きシートなど |
アルコール除菌シート | 手拭き、衛生管理に便利 |
マスク | 感染症の予防 |
カセットコンロ、ガスボンベ | 温かいものを食べたいときに使用 |
紙皿、紙コップ、割り箸、ラップ | 食器の洗い物が不要で衛生的 |
防寒具 | 寒暖差に対応できるように |
薬、常備薬 | 持病の薬、絆創膏、頭痛薬など |
マイナンバーカード、健康保険証 | 本人確認や医療機関の受診時 |
現金(小銭) | 電子決済が使えない場合に備えて |
一般的な防災グッズは、持ち出し用(防災リュック)に1日分程度、自宅での備蓄用に数日〜1週間程度を想定し準備しておきましょう。
②高齢者が備えておきたい防災グッズ
高齢者の場合は、基本の防災グッズにプラスして以下の備えをしておくと安心です。
備えておきたいもの | 用途・ポイント |
---|---|
薬、お薬手帳 | 持病の薬は多めに用意 |
入れ歯洗浄シート | 口腔内の衛生を保つ |
オムツ、パッド | トイレが使えないときに |
杖、履きなれた靴 | 移動時のケガ防止に |
介護食(高栄養タイプなど) | やわらかいゼリーやドリンクなど |
メガネ、補聴器 | 視覚・聴覚の補助用品 |
キャリー型防災バッグ | リュックよりも楽に運べる |
緊急連絡カード | 名前・連絡先・持病など記載しておくと安心 |
持病がある方は、薬とお薬手帳も忘れずに準備しましょう。服用している薬がわかれば、病院を受診した際にスムーズに薬を処方してもらえます。
また、口腔ケアは誤嚥性肺炎や感染症の予防にもつながるため、入れ歯洗浄シートなども備えておきましょう。折りたたみの杖も用意しておくと、避難時の転倒リスクを減らせます。
防災グッズを入れるリュックは、バックパック型よりもキャリー型のほうが移動の負担がなく便利です。
高齢者の防災対策3. 安全に避難するための準備をしよう

高齢者が災害時に慌てず行動するには、日ごろからの備えが大切です。ここでは、安全に避難するための3つのポイントをご紹介します。
①避難所までの道のりを確認する
避難所までの道のりは、事前に確認しておきましょう。高齢者や車いすを利用する方にとって、階段や段差は大きな負担になります。避難ルートに階段がないか、道幅が十分かをチェックしておくと安心です。
また、地割れや津波などの影響がない安全な場所を確認しておくことも大切です。安全な場所を確認しておけば、体力が低下している高齢者でも休憩を取りながら避難できます。家族と一緒に、避難所までの道のりを確認しておきましょう。
防災マップや避難場所の情報は、冷蔵庫や玄関など目につきやすい場所に貼っておくのがおすすめです。目につきやすい場所に貼っておけば、災害時でもすぐに確認できます。
②地域の防災訓練に参加する
安全に避難するためには、地域の防災訓練に参加することも大切です。地域の防災訓練に参加すれば、実際の避難経路や手順などを体験できるため、災害時に落ち着いて行動できます。
訓練を通じて近隣住民や自治体の担当の方と顔見知りになることで、助け合いの関係を築くこともできます。また、自分の体力や移動手段など、必要な課題や支援ポイントも把握できるでしょう。
最近では、電動車いすやシニアカーを使った避難訓練を実施している地域も増えています。訓練に参加すれば、実際の操作方法や避難時の注意点を体験できるため、災害時にも落ち着いて行動できます。積極的に防災訓練に参加し、災害時に備えましょう。
③自力で避難が難しい場合は「避難行動要支援者名簿」に登録する
避難行動要支援者名簿は、災害時に支援が必要な方のために市区町村が作成・管理する名簿です。事前に登録しておくことで、安否確認や避難支援がスムーズに行えます。
避難行動要支援者の主な対象例は、以下のとおりです。(自治体により異なります)
・70歳以上の一人暮らし、または高齢者のみの世帯
・要介護認定を受けている方
・身体・精神・知的障がいのある方
・難病や高齢で移動に不安がある方
・在宅で医療機器を使用している方
・その他、自力で避難が難しい方
日ごろから地域と情報を共有しておくことで、災害時の安心につながります。登録や対象の詳細は、お住まいの市区町村の防災窓口にお問い合わせください。
モニスタ搭載の電動車いすで災害時の完全確認をサポート

離れて暮らす高齢のご家族が災害時に安全かどうか、すぐに確認できる手段があると安心です。そのような見守りに役立つのが、GPS機能を備えた電動車いす用モニタリングシステム「モニスタ」です。
モニスタを搭載した電動車いすなら、スマートフォンやパソコンから現在地や移動の履歴、走行状況をリアルタイムで確認できます。ご家族や支援者と情報を共有できるため、災害時も素早く対応できます。
(※車体の電源が入っていてモニスタが動作中であり、通信環境に問題がなければ、情報は自動的に更新されます。ただし、災害時には通信が不安定になる可能性がありますので、ご注意ください。)
また、バッテリーやタイヤの交換時期も把握できるので、日常のメンテナンスも安心です。危険な場所での使用状況も確認できるため、トラブルや事故の予防にもつながります。大切なご家族の安全を守るために、ぜひ導入をご検討ください。
まとめ:高齢者の防災対策は日頃からの準備が大切!

高齢者の防災対策では、一般的な防災グッズにプラスして介護食や紙おむつなどを準備しておくと安心です。また、スムーズな避難を可能にするために、大きな家具を固定したり通路に置いてあるものを片付けたりして避難経路を確保することも大切です。ご家族と一緒に防災対策を見直し、避難先や避難方法も事前に確認しておきましょう。
GPS機能を備えた「モニスタ」を活用すれば、離れて暮らすご家族の安否を確認できます。災害時に備えて、ぜひ導入をご検討ください。